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【 時間点+1 】
 用意しておいた品物を手に君がテーブルへと近付くのを船長は無言で見つめていたが、
思い出したように口を開いた。
「……そういえば、遺跡で我らの邪魔をしたという男はどうなったのだろうな。未だに倒し
たという報告はないが」
 唐突な問いに心臓を跳ね上げながらも、君は新たな報告はない風を装った。多少の動
揺はむしろ本当の部下が萎縮しているかのように映ることを祈りつつ。
「ならばせめてその男の目的はどうだ? お前が知らずとも推測を聞かせるがいい」
 判断に迷い、しばらく考えてから君はイスターヴェで雇った漁師達の護衛が遺跡に入り
込んだ海賊を目撃し、勇ましくも襲撃するつもりになっただけなのではないかと、さほど事
実とは変わらないが安易に聞こえる返答をした。
「ふむ……なるほどな。俺はあの遺跡自体に何か目的があるのではないかと考えていた
が、案外真実はそんなところなのかもしれん」
 船長はそう呟くと、君が用意した物に目をやった。
「一体それがどう珍しい? 言っておくが、くだらぬ物であればしばらくは船倉掃除をする
ことになるぞ」
 君が差し出したのはどんな品物だったろうか。

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