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 君は遺跡で入手した魔法のリンゴをテーブルの上に置いた。リンゴの大樹の部屋が荒
らされていなかったところから、海賊にとっても初めて見るものであることは間違いないは
ずだ。
「それはなんだ?まさか見た目どおりではないだろう?」
 君がリンゴの効果を伝え始めると、船長はおもむろに懐から取り出したナイフをリンゴに
突き刺し、口元に運ぶと一気にかぶりついた。
「……これは美味いな。それにお前が言ったとおり、特殊な力があるようだ」
 そのまま食べ切った船長は「いい物を持ってきてくれた」とテーブル上にあったコインを
無造作に放った。君が掴んだのは1枚の金貨だ。だがこれを受け取ることは彼らにとって
会話の終了を意味しているはずだ。何事もなく部屋を出るつもりなら無駄に長居すべきで
はない。
『彼と戦うつもりではなかったのですか?』
 ここまで沈黙していたルルが疑問を投げかけたのは、君がこの部屋に入ったそもそもの
理由からすれば当然だろう。

  ・ このまま部屋を出て行くなら(476へ) 
  ・ やはり攻撃をしかけるなら(554へ)