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 一体「呪術」というものがこの世界にとってどれほどの影響を与えるものなのか、今の
君にはまだ把握のしようもない。しかしスヴァルニーダやその同胞達が素性を隠してお
かなければならない訳は少なからず理解できたと思う。ならばこそ、どのようなつもりで
彼女を捕らえているのかわからない海賊のもとにいるのは危険ではないのか。万が一
彼女の素性を知っていて、悪意ある目的のために利用しようと目論んでいるのであれ
ば、そうなる前に逃げ出すべきだし、身を隠しておきたいのなら海賊船の暗い船倉で囚
われてなどいなくとも他に場所はある。君は現在考えられる精一杯の言葉を費やして共
に脱出しようとスヴァルニーダを説得した。
 君の言葉を聞き終えるまで目を伏せたまま寝台に腰掛け、じっと聞いていた様子のス
ヴァルニーダだったが、顔を上げると同時にゆっくりと立ち上がり、鉄の檻を挟んで君の
目を真っ直ぐに見つめながら口を開いた。
「さっきあなたは私を偶然見かけて助ける気になったのだと言っていたけれど……今でも
本当に気持ちは変わらない?」
 君はもちろん頷くつもりだったが、何か違和感のようなものを感じる。 
精神チェック」をおこなうこと。

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