405 【 時間点+2 】 君はせめて遠目からではわからぬよう海賊達に似せて肌を露出させた格好をし、頭と 口元に布を巻き、自分の傷から流れ出た血で肌を汚して重傷を装ってから海賊船へと 接近していった。これで一見して君だとは判別できないはずだが、間近で見るか言葉を 交わせば彼らの仲間ではない事はすぐにわかってしまうだろう。だがそれ以上に問題な のがやはりルルの事だった。この煌びやかな長剣に関してだけは、たんに布で包んでい く以外の方法が見つからない。戦利品だと嘘をついても、これほどの剣となると下っ端海 賊の手元に残してはおけまい。そして遺跡内で戦った海賊の所持する武器といえば幅広 い刀身を備えた曲剣がほとんどだ。 手持ちの布を工面してルルを包むことに苦戦していると、彼女が声を発した。 『あなたの力を借りられるならそのようなことはせずに済みますが』 訊ねてみれば、ルルに備わったある種の魔法によって周囲から隠蔽することができると いう。ただしそのためには持ち主の魔力以外に相応の水分が必要となる。 君がその提案を承諾すると、魔法を用いた際の疲労感がごく僅かに感じられ、周囲の 海面が白く泡立ったかと思うと霧状に舞い上がってルルを覆い隠していった。それが収 まった時、ルルを握る感触のみを残して姿は消えていた。MPを1点減らしておくこと。も しそれだけのMPを減らす余裕もないという場合は、今の侵入計画自体を見直した方が いい。もしそうするなら(276へ) 『この効果は大量の水分が間近にあればあなたの意識が途切れるまで続きますが、海 賊船の内部に乗り込んでしまえば消滅します』 君は頷いた。いざ戦いになってしまえばそんな心配も意味はなくなるとは思うが。 とはいえ今回の計画の最も重要な部分は、海賊船内の娘と接触し状況を知ることだ。 それまではできるだけ戦闘を避けるべきだろう。 君の操る小船が海賊船の船尾に設けられた梯子へと接近する。 重傷の海賊を装って船内に入り込むために「技巧力チェック」をおこなうこと。 ・ 成功したら(399へ) ・ 失敗したら(340へ) |