344 君は「投映」の魔法を使った。MPを4点減らすこと(それでMPが0になったら君は気 絶し、意識を取り戻す前に14へ直行だ)すると君の周囲に光を反射して輝きながら水の 粒子が集まり始め、密集して壁のようになった。透けて見える外の景色はやはり直接見 るよりも鮮明度で劣るが、それでも充分な視覚を得られている。その姿を自分で確認で きていないため不安がないわけではなかったが、ルルも『大丈夫。激しい動きさえしなけ ればあなたの姿を見られることはありません』と言ってくれているから問題はないのだろ う。『けれど保持できる時間には注意してくださいね』と付け足すのも忘れはしなかったが。 君は魔法を保持させたまま見張り役の海賊が立つ洞穴の出口へと向かった。姿は見 せずに済んでも足音などはそのままなのだから気を緩めるわけにはいかない。 念のため海賊の背後に回り込みながら外を見ると、そこは両側を崖に挟まれた狭い入 り江のような場所で、イスターヴェ付近の地形を思い描いてみれば大体の見当はついた。 おそらくはイスターヴェ西岸に伸びる崖にできた裂け目の奥ということだろう。海賊の足 元を見れば荷物を少し載せただけの小船が一艘繋いであり、それを使って入り江の外 に停泊しているはずの海賊船に向かうつもりであったことが推測できた。だが遺跡内の 海賊は君によって全て倒されており、1人生き残ったこの海賊の命ももはや君の手中に あると言える。 様子を見ていると見張りの海賊は獲物を構えつつ洞穴内に駆け込んでいき。すぐに血 相を変えて飛び出してきた。そして積みかけの荷物など目に入らない様子で小船に乗り 込み、岸に繋いでいたロープを解き始めた。こちらもすぐに決断しなければならない。 ・ 姿を隠したまま海賊と共に海賊船へと戻る(438へ) ・ この海賊を倒し1人で海賊船へと向かう(372へ) ・ 急いで他の手を考えてみる(417へ) |