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 君は脳裏に海岸から沖までを埋め尽くす濃霧を思い描いた。それはイスターヴェの町に
訪れ、その港で漁師達と共に仕事をするようになって初めて目にした光景であり、肌を撫
でては流れていく冷たい粒子を感じながら、見上げた乳暗色の空の中でも存在を示す月と
星の輝きがあったことを覚えている。
 ルルの助言に導かれ、次第にイメージが広く深く明確になっていく。それが夢か現実か
の境界で曖昧な感覚に至った時、ルルの囁く声が力を増した。
『さぁ目を開いて』
 寝起きから目覚めたように君が目を開いた時、その視界には夢の続きと見紛うほどの白
い世界が広がっていた。
『見てください。これが今あなたの使った魔法の力です』
 目がはっきりとしてくれば、それが辺り一面の地面から吹き上がる水の粒子であること
がわかった。
『幸いこの遺跡の地下には豊富な水脈があったようです。あとはあなた自身の素質の成
果かもしれません』
 どことなくルルの言葉は満足そうに聞こえた。
 君が使用した魔法は、本来ならば水精魔法の基礎を修得した者が扱うべきものだ。だが
今回に関しては充分に時間をかけ、且つルルが導いてくれたために使用が可能になった。
もしまた使用する機会がやってきた時のために、以下の魔法を覚えておくこと。

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 『 初級上位の水精魔法 

 「濃霧(ミスト)」
 濃霧を発生させて視界を奪う。持続時間は使用する環境によって異なるが、拡散する
ことのない室内等であれば1時間程度。ただし風のある屋外ではほぼ無効。
 対象:術者を中心に一定範囲内(ゲーム中に記載) 消費MP:4

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 この魔法の使用によりMPが4点消費された。その結果、MPが0になった場合、魔法
の効果が消失した後に君は海賊達に発見され、そのまま海に放り込まれてしまう(14へ
 意識を失わずに済んだなら(305へ