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【 時間点+1 】
 君はこの遺跡の頭上に広がっているのだろう洞穴内の光景と、文献にあった画像から
推測できる、上下から牙のように林立する氷柱群を脳裏に思い描いた。だがそれは君自
身の目で直に見たものではないがゆえに明確なイメージを形作ることは困難で、ましてや
術者たる君自身の能力の未熟さもあっては、例えルルが可能な限りの力を注いだとして
も発現には至らない無謀な試みだったのかもしれない。
 ルルの助言に導かれて明確になっていくはずのイメージはやがて霧散し、夢見の悪い
目覚めのような気分で君は目を開いた。
『残念ながら失敗です』
 無情なルルの声が聞こえ、次第に意識が明瞭になっていく。
 発現には至らなかったが、魔力の集中に要した労力のためサイコロ1個分のMPを消
費すること。その結果MPが0になった場合、気絶した君は当然ながら海賊達に発見され、
そのまま海に放り込まれてしまうだろう。ルルはあるいは再び眠りにつき、力の一切を封
じたまま海賊に所有されることになるのかもしれない(14へ
 意識を失わずに済んだなら、改めて行動を決定すること(242へ