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【 時間点+1 】
 扉を開けると、その部屋の中には専門家でなければ価値を判断する事も難しいような
宝飾品の数々に、場合によってはそれ以上の価値があるだろう武具を含めた装身具が
所狭しと収められていた。この世界の知識に乏しい君にはそれらの正しい価値を計るこ
となどできないが、そんな君の目を特に惹きつける物が1つあった。君はその白銀に輝く
一揃いの鎧を見るや装備したくてたまらなくなる。
 どこかでルルの叫び声が聞こえる気がするが、今聞くべき重要な事とは思えなかった。
 君は白銀の鎧に近づいていくと、兜から肩当て、胸甲、籠手と順に全ての部位をひとし
きり眺めた後、各々を丁寧に持ち上げては自分の身体に装着していった。
 そして鎧が君の全身を包んだその瞬間、身体中を激痛が襲い君は地に膝を着いた。
 苦悶の声をあげながら見ると、部屋中にあった財宝が靄と化して次第に消えていく。
 気づけば君の身体は透明で固い質感を持ちながら、力を入れればぶよぶよと潰れる
管状の奇妙な何かに締めつけられ、何本もの細く鋭いものに身体を突き刺されているよ
うだった。管の中を流れていく赤いものは君の血液だろうか。
 直ちにHPをサイコロ1個分失うこと。
 この奇怪な何かはどうやら生きている。もしこのまま血液を奪われ続けていれば、君
の命が失われるのにもそう時間はかからない。
 幸い利き腕はなんとか動かすことができるため、剣を振るうことはできるはずだ。

   幻惑の蜘蛛(マインド・シーカー) 戦闘力:7 HP:6 

 この戦闘は背後から全身に抱きつかれたまま戦わなければならず、君への攻撃は必
ず命中する。またルルを使用する限り一度の攻撃で与えるダメージは3点だが、全力で
の攻撃はこの生物の身体を貫通してしまい、同時に君自身も1点のダメージを負う。た
だし手加減するのであればダメージは2点となる代わりに君へのダメージはない。

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