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 不可思議な能力をもった蜘蛛は、死ぬと同時に風船が破けたかのように床へ広がり、
その死骸はまるで巨大なクラゲのようにも見えた。
『こんな生き物が、私とあなたとの繋がりを阻害するほどの能力を持つなんて……』
 ルルには少なからずショックだったようだ。
 しかしそもそもの知識が少ない君には、これほど特異な生物や巨大な動物達が、現在
よりも進んだ技術によって管理された遺跡内に閉じ込められていた事の方が驚きだった。
この遺跡の構造も造られた理由も、これまでに君が見たことのあるカビ臭い遺跡などと
は根本的に異なっているとしか思えないのだから。
 ルルの活躍していた伝説の時代とはどんなものだったのか、思いをめぐらせていると唐
突に何かの気配が背筋を寒くした。
『嫌な感じがします。早くこの部屋を出ましょう』
 どうやら先ほどの生き物は一体だけではなかったようだ。また危険な幻を見せられる前
に先へ進む方がいいだろう。
 この扇形の部屋には、巨大サソリあるいは三つ首の大蛇が巣くった部屋に通じる扉の
他、奇妙な蜘蛛の能力によって先ほどまで見えなくなっていた扉が1つある。

  ・ 右側の扉から出ていく(170へ
  ・ 左側の扉から出ていく(243へ
  ・ 奥の壁にある扉に向かうなら(266へ)