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 君は異形の熊と対峙した。じりじりと近づいてくる巨体は、太い前足を地に下ろした状態
でも頭部の位置は君の背丈よりも高く、胴回りに至っては比べるまでもない。
 『このような亜種か変異体を見るのは初めてですが、歯応えのありそうな相手です。私
の力が必要な時はいつでも』
 確かに剣を交わさずともその獣の破壊的な腕力は推測ができた。ルルの言うように彼
女という剣に備わった治癒能力を発揮してもらうことになるかもしれない。もちろん、まだ
使用していなければの話だが。
 ともあれ君はルルを前方に構え、全身から殺気を放つ獣の気配に意識を集中させた。
 君の間合いを察知しているのか否か、熊は一定の距離まで接近すると歩みを止め、後
ろ足で立ち上がると巨大な両前足を頭上に振り上げた。
 こうなればもはや逃げ出す余裕などない。 

   巨腕熊(ムガール・ベア) 戦闘力:8 HP:15 

 この飢えた熊は通常の2点ではなく3点のダメージを与えてくるうえ、攻撃判定時のサイ
コロが10以上で成功すればベアハッグが極まる。この攻撃が極まった場合「体力チェッ
」に成功して振りほどくまで(チェックに失敗した回数だけ)自動的にHPが1点ずつ減ら
されていき、その間の攻撃をおこなうことはできない。
 
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