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 君の眼前に巨大な熊が倒れている。その死体と部屋に雪崩れ込んでいる土塊を見て
いると、君の脳裏にこの熊は冬眠中あるいは冬眠から目覚めた直後に、この地滑りに
巻き込まれたのではないかという考えがうかんだ。だからこそ極度に飢えていたのだと
考えれば納得がいく。だがあの姿はルルの言うように亜種なのか、それとも後天的理由
による変種なのだろうか。
 『探索を続けていれば、いずれわかるのかもしれませんね』
 ルルの声に促され、君は厨房だったらしいこの部屋を調べてみることにした。(215へ