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【 時間点+1 】
 その部屋にいたのは、巨大なトカゲの身体にコウモリのような翼を持ち、鋭い牙の並
んだ口の隙間から、呼吸のたびに細長い蒸気を吹き出している生物だった。
 この世界に存在するそのような生物を君は1種類しか知らない。
 竜(ドラゴン)族とおおまかに称される様々な竜の中でも、ひと際有名で彼らの象徴と
して存在するもの。それが火竜(ファイヤー・ドラゴン)だ。
 どこかでルルの悲鳴が聞こえた気がしたが、君は構わずいつものようにルルを鞘から
引き抜き、対峙する。
 『逃げて』と聞こえたかもしれないルルの声はもう君の耳に入らない。そして何故か君
は逃げられないことを知っていた。ならば戦って勝つしかない。

   火竜(ファイヤー・ドラゴン) 戦闘力:12 HP:25

 火竜は偶数回の攻撃時に炎の息(ファイヤー・ブレス)を吐く。この炎を完全に避けるこ
とはできず、「強運チェック」に成功すればサイコロ1個分。失敗すればサイコロ2個分の
ダメージを負い、その巨体から繰り出す鉤爪の攻撃も3点のダメージを与えてくる。
 また金属鎧並みの鱗が全身を覆っており、魔法や魔法の武器を用いても常に(「強運
チェック」に成功しても)1点のダメージしか負わない。ただし冷気や水系の魔力ダメージ
に対しては弱く、通常の2倍の効果を及ぼすことができる。つまりルルによるダメージは
軽減されないということだ(ただし「強運チェック」による増加は不可能)

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