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【 時間点+5 】
 つらら状に地面から突き出た岩で身体を支え、ロープを結んだ金属の杭をハンマーで
打ち込んでは足場にしつつ、足を滑らせれば只では済みそうに無い荒れた斜面を登って
いく。
 時間をかければ崖の登攀も初めてというわけではないし、失敗の可能性は少ないだろう。
そうして着実に崖の半ばまで辿り着く頃には、つららや地面に何か粘液のようなものが付
着してくるようになり、嫌な臭いが漂い出している。
 気配を感じて君が頭上を見上げると、灯りが照らし出した天井付近には何か白いものが
蠢き、あるいは宙を舞っていた。目を凝らし、その形状だけを確認してみればそれは蝙蝠
にしか見えない。
 これまでの旅では白い蝙蝠など見かけたことはないから普通の蝙蝠ではないのだろう。
ともあれもし襲ってこられた場合、この状態では剣を振るう事すら難しい。
 このまま登り切ってしまうか。それともここまでの時間と労力が無駄にはなるが、この穴を
通るのは諦めて再び斜面を下りることにするか。
 これ以上登り続けるならびっしりと岩肌にこびりついた蝙蝠の糞に足を滑らさずに済むか
どうか「技巧力チェック」をおこなうこと。 

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