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意識を取り戻すと、君は何も無かったかのように元のままの姿で鎮座している
祭壇の上に横たわっていた。
 四角形の穴は残っているものの、そこに差した2本の石は消えており、代わりに
一振りの長剣が君の手に握られている。
 だがその形状は先ほど見た簡素なものではなく、優美に水と戯れる精霊の姿を
抽象的に模った、銀よりも白い金属の鞘にいつの間にか収められており、その模様
は柄の形状と一体化するようになっていた。


 君は貴重な魔法の剣を手に入れた。
 かろうじて覚えていた記憶によれば、この剣の銘はアールイヴァリル
 この剣を用いて戦う際は「技巧力」を1点上昇させることができ、相手に与える
ダメージも通常の2点ではなく3点となる、研ぎ澄まされた長剣だ。
 だがこの剣が魔法の剣たる所以は、剣としての性能のみに限らない。
 一度の冒険で1回に限定されるものの、持ち手が念じることにより身体的な異常
を回復させるか、HPを全快させるという治癒の力があり、なおかつこの剣を所持
している限り、必要最低限の水分を自動的に補給できる。
 君はこの剣に『ルル』という愛称を付け、携えていくことにした。


 この不可思議な体験と、強力な武器を手に入れた幸運により「運」の原点を1点
上昇させてよい。
 もし某かの異常な状態なのであれば、HPと併せてそれも完治する。


・ 君はもう来ることもないだろう遺跡を見上げながら、山を降りて行く(108へ
・ ただしここにやってきたのが討伐隊の一員としてなら(135へ