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 君はアデルの肩に手を置くと、このまま探索を続けていくことを告げ、できる限りの事を
すると約束した。それは別にアデルのため、彼の婚約者の母親を始めとする不治の病に
苦しむ人々のためだけではなかった。
 この世界で今日まで旅を続けてきたおかげでわかったことがある。それは未知の古代
遺跡を探索できる機会などそう多くはないということだ。君自身が古代の寺院跡で目覚
めた以上、君の過去が何らかの形でそのような遺跡に結びついているのはほぼ間違い
なく、同じ遺跡で眠っていたルルを目覚めさせたのが君だったということにも、運命じみ
た繋がりがあるのかもしれない。
 そう考えた時、君が記憶を取り戻すことがあるのなら、そういった古代のものに関わっ
ていった結果によるものではないかと推測するのは当然のことだった。ならば今回のよ
うに依頼を請けての機会を逃すべきではないだろう。そう考えたからこその約束でもあっ
たかもしれない。(107へ