107 【 時間点+1 】 アデルと話すうちに幾つかのことを確認し、今後の探索へのヒントとなることも聞くことが できた。君が確認しておくべきことの1つは今回の依頼における報酬のことだったが、問 うまでもなくアデルが答えるに、未だ全貌は見えてさえいないが、この遺跡で発見した古 代植物の種子と、その育成に関わるもの以外の全ては君のものとして構わないという。 それは成功報酬に近いが、例え目的のものが見つからずとも探索の過程で入手したもの はそのまま受け取れるということだった。また確定的な報酬として、古代遺跡の発見によ る国からの褒賞金も支払うということだ。 ただし遺跡内部に関する情報はほとんど無い。唯一、今いる洞穴が古代遺跡に侵入す る手段を捜索中に偶然発見した裏道のようなもので、遺跡のどこかに繋がっているはず だということくらいだった。 最後に彼は必要があれば使って欲しいと、登山用具一式を君に渡した。それは山岳調 査が必要になった際にアデルが準備したもので、質も悪くない。他にも彼には不要となっ た3食分の保存食を貰っておく。 アデルは手当てを済ませると自分1人で町に戻れると告げ、君の探索が成功し、無事に 町へ帰ってこられるようにと願った。それから2人で巨大な空洞へと引き返し、アデルの姿 が岩場の向こうに消えていくのを見送った後、君は改めて探索を開始した。 もし再びこの場所にやってきても誰もいない。(104へ) |