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 君は船室の左舷側にある扉へ向かってじりじりと移動していった。その身体に船長が
握った武器らしき物を向けられてはいたが、まだその効果はわからない。それはルルも
同様だからこそ沈黙したまま君に判断を任せているのだろう。ともあれ相手からの攻撃
が無いのであれば好都合だ。君は扉まで数歩というところで強く床を蹴ると、力任せに
扉へと体当たりをした。すると扉は予想外にあっけなく壊れ、君は隣の小部屋へと転が
り込んだ。
「今さら逃げ出すつもりか。だがその部屋はどこにも通じてはおらんぞ」
 笑みを含んだ声を背に室内を見回すと、そこには高級宿並みに手の込んだ造りの寝
台と家具が幾つか置かれているだけの寝室になっていた。小窓は付いているが君が通
り抜けることはできそうにない。船長の言うとおり前の部屋に戻る以外にはなさそうだ。
 君は前の部屋に戻ると……。

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