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 その輝きはやはり縦穴の切れ目、つまり左右に伸びる横穴と交差する地点にある岩に
含まれた鉱石が光を放っていたのだった。しかしそれに君が気づいたのは横穴を通過し
てしまった後だ。そのうえ縦穴の傾斜が急になってきていた。
 いつしかその縦穴は次第に細くそして垂直に近い急角度となり、地下水によって滑らか
になった岩肌は、不安を感じて壁に伸ばした君の手を弾いてしまう。時折ぶつかる突き出
た岩の衝撃と苦痛が、他の何かを行うほどの余裕も与えてはくれない。
 君は果てしなく思える長い地下の空洞をものすごい速度で落下していった。その体が地
底深くに広がる大瀑布に飲み込まれる前に意識を失ったのは、むしろ幸せだったと言える
だろう。この高度から落下したことにより鋼と化した水面で全身の骨を砕かれてまで生き延
びとしても、今の君には再び地上に戻るための手段はなく、餓死は免れまい。(14へ