34 【 時間点+1 】 扉に耳をつけ、物音が聞こえないのを確認してから静かに開けようとすると、その扉は 床にある溝にはまっていて、横にスライドさせて開けるようになっていた。その奥にはラン タンや松明といった照明の類は見当たらなかったが、曇り空のような淡く薄暗い光で通路 状の空間が照らし出されていた。 通路の全ては、先ほどの部屋と同じ素材でできたもので、まっすぐな通路が少し進んで 直角に左、つまり北へと曲がる通路に交わっていた。またそのまま東に直進すれば突き 当たりに扉がある。 君はランタンの明かりを消して背負い袋にしまい、ひとまず分かれ道にまで進んでみる ことにした。(111へ) |