325 君は剣が大事だと答えた。何故なら記憶を失ったまま漂白の旅を続ける君にとって、 これまでの危険な旅を切り抜けるためにルルの果たしてくれた役割があまりに大きかっ たからだ。彼女のような剣と出会わなければ、この世界について無知な人間がいつ命 を落としていてもおかしくはなかっただろう。 君の返事を聞いたルルは沈黙したままだったが、巨漢はニヤリと笑みをうかべた。 「ならここで死んでも悔いはねぇってことだな?」 予定通りの展開に、君は無言のままルルを前に突き出し、そして柄を握るとゆっくり刀 身を引き抜いた。その精緻で美しい装飾と刀身の輝きを見た巨漢が感嘆の声をあげる。 だが君はそこで一気に剣を抜き放ち、そのまま腕を開いた形に身構えた。 「なるほど、くれてやる気はねぇってことだな。いい覚悟だ」 巨漢の戦斧が振り上げられ、それと同時に君の手にあるルルが熱を帯びたように感じ られた。それはこれまでにあまり感じた事の無い感覚だ。 『我、剣の主に最大の感謝と敬愛の意を示すものなり』 ルルの声とともに君の身体からあらゆる痛みが引き、高揚感が増していく。 直ちに失われたHPを全て回復させ、ルルからのさらなる信頼を得たことで「強運点」 に2点を加えること。この治癒効果はすでに君が使用していたかもしれない剣の能力と は別に発動するものだ。また今回に限り一時的に「強運点」が最大値を越えても構わな い。 手下の海賊は戦闘に加わらないが、背後に回り込まれているため逃亡はできない。 海賊スラダブ 戦闘力:10 HP:15 スラダブの振り回す戦斧はもはや怪物の域に達するほどの恐るべき威力を持ち、通常 の2点ではなく3点のダメージを与えてくる。 ・ スラダブを倒したら(220へ) ・ 殺されてしまったら(14へ) |