31 【 時間点+1 】 待ち合わせ場所の周辺を少し歩き回ってみると、岩場を下って海岸に降りる階段の手 前に生えた木の枝に1枚の布が縛り付けてあった。それを解いてみると、炭のようなもの で殴り書きした文字が書かれている。 「 入り口は階段の脇 」 この場所で何があったのかはわからないが、とにかく名前を聞くよりも前に青年は何処 かへ行ってしまった。だが相当に焦っていたというのは事実のような気もする。罠である 可能性も考えてみたが、そもそも君と青年との間には何の関わりも存在しないと思われる 以上、いくら考えてもわかるはずがなかった。それでも無理に推測するならば、青年が馬 鹿正直に君を信じ、追ってきてくれるものと考えて1人で先走ってしまったのだろうというこ とくらいか。 青年の行動に嘆息しつつも見捨ててしまうことはできないのが、君の美徳であり悪い癖 でもあった。なによりあの青年が何故君に頼ってきたのかという疑問も残る。 『追うのですか?』 ルルに問われる前に心は決まっている。 とはいえ、その前にしておくべきことはないだろうか。 ・ このまま急いで青年を追うなら(15へ) ・ まずは酒場で青年の事を訊いてみるなら(74へ) ・ ひとまず自分の装備を取りに宿へ戻るなら(49へ) |