302 【 時間点+1 】 君はこの遺跡の頭上に広がっているのだろう洞穴内の光景と、文献にあった画像から 推測できる、上下から牙のように林立する氷柱群を脳裏に思い描いた。だがそれは君自 身の目で直に見たものではないがゆえに明確なイメージを形作ることは困難で、ましてや 術者たる君自身の能力の未熟さもあっては、例えルルが可能な限りの力を注いだとして も発現には至らない無謀な試みだったのかもしれない。 ルルの助言に導かれて明確になっていくはずのイメージはやがて霧散し、夢見の悪い 目覚めのような気分で君は目を開いた。 『残念ながら失敗です』 無情なルルの声が聞こえ、次第に意識が明瞭になっていく。 発現には至らなかったが、魔力の集中に要した労力のためサイコロ1個分のMPを消 費すること。その結果MPが0になった場合、気絶した君は当然ながら海賊達に発見され、 そのまま海に放り込まれてしまうだろう。ルルはあるいは再び眠りにつき、力の一切を封 じたまま海賊に所有されることになるのかもしれない(14へ) 意識を失わずに済んだなら、改めて行動を決定すること。(151へ) |