221 【 時間点+2 】 死体をよく見てみると、それが男性のもので、背中から胸に向けて何か細いものが貫 通したような傷跡があることがわかった。それがこの部屋に到るまでの部屋で遭遇する 怪物によるものならば、巨大サソリでも大蛇のものでもなく、正体のよくわからないもう1 体の何者かに負わされた傷によって命を奪われたのだろう。 君より前にこの遺跡へ潜り込んだ者がいたということだろうか。その可能性も考えつつ 着衣を探っていると、懐に1枚の紙片状のものが見つかった。 記された古代文字をルルが訳してくれる。 『「秘密の言葉は、主任の好物」……覚え書きのようです』 君は念のためそれを仕舞うと、この部屋で唯一の出口に向かった。(194へ) |