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 君は古代文字の刻まれた木の棒を手に取ってみた。
 『こういった形状の魔導器は最も単純で種類が多いので、用途の方も使ってみなけれ
ばはっきりしませんが、刻まれた文字から推測すると、おそらく地面に穴を開けるための
魔力が込められているのだと思います。……何故それだけのために手間をかけて製作
したのかはわかりませんが』
 ルルがやや呆れたように言った通り、この棒は最も単純な用途に使用するための魔
導器の1つで「削岩棒」という。棒に込められた魔力を放出するための発動言語を古代
文字で発しつつ土の地面や岩石に棒の先端を向ければ、そこに人間1人が余裕で横に
なれる程度の穴をあける事ができるというわけだ。
 君にもこの魔導器を製作した者の意図はよくわからなかったが、これを利用すれば地
中であっても休息するための空間を作り出せるだろう。つまりそう指示されていない場所
でも睡眠可能な場所を確保できるということだ。
 この魔力の残り使用回数はサイコロ1個分で、使い切ると同時に砕け散る。 
 これを持っていきたければ所持品に加えて(167へ)