212 


 君が小瓶に入った黒い丸薬状の粒を取り出そうとしていると、何かの気配が急激に接
近してきた!!
 咄嗟にその場を離れながら剣を一閃させると、ほんの一瞬だが何かに触れたような感
覚が手に残る。ルルも接触したそれは通常の生物ではないと感じているようだ。
 だが魔法の剣の切っ先が触れているのなら、目視できない相手であっても多少は動揺
しているはずだと判断した君は、すかさず黒い粒を幾つか取り出して床に投げつけた(幾
つ使ったかサイコロ1個を振って決めること) すると瞬間的に眼前で燃え上がった炎の
壁が、その場にいた何かの輪郭を陽炎のように浮かび上がらせることに成功した。
 球形の胴体から細長い棒状のものを何本も生やしたその姿は、大きさこそ人間並みだ
が一見蜘蛛のようにも見える。
 炎に炙られた"それ"は奇妙な叫び声を放ってどこかに姿を消し、油のような香ばしい匂
いと鼻をつく異臭だけがあたりに広がった。室内を見回しても正面の壁にある扉だけしか
目には映らない。だが考えてみればその扉もさっきまでは存在しなかったか、あるいは君
の目に見えていなかったものだ。おそらくこの生物は人の感覚か精神そのものを操るこ
とができるに違いない。それだけでも厄介な生物だが、炎を避けている今ならば安全に
この部屋を出て行ける。 

  ・ 背後の扉(向かって右側)から出るなら(170へ
  ・ 背後の扉(向かって左側)から出るなら(243へ
  ・ 奥にある扉から出るなら(266へ)