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 君は自分の命が大事だと答えた。いかに精剣アールイヴァリルがまさに宝だと言える
ような計り知れない力を秘めた存在だとしても、君という人間が手にしなければ目覚める
事は無く、あるいは君以外の人間が彼女を見つけていたらどうなっていたかはもはや知
りようもないことだが、時折ルルが言うように、運命によって剣に見出されただけの価値
がある人間とでも思っていなければ、記憶を失った漂泊の身で今日までこの世を生き抜
く自信を持ち続けていられただろうか。
 ルルは何も言わなかったが、まさかこんなことで気を悪くすることはないはずだ。
 君の返事を聞くと、巨漢はニヤリと笑みをうかべた。
「そのいかにもって贅沢な造りの剣を渡せば命は助けてやるぜ?」
 だからといってもう君の片腕の座に収まったルルを渡すわけにはいかない。
 予定通りの展開に、君は無言のままルルを前に突き出し、そして柄を握るとゆっくり引
き抜いていった。その精緻で美しい装飾と刀身の輝きを見た巨漢が感嘆の声をあげる。
 だが君はそこで一気に剣を抜き放ち、そのまま腕を開いた形に身構えた。
「なるほど、くれてやる気はねぇってことだな。ならてめぇを殺って奪うだけだ」
 巨漢の戦斧が振り上げられた。
 この戦闘に手下の海賊は参加しないが、背後に回り込まれているため逃亡はできない。

  海賊スラダブ 戦闘力:10 HP:15

 スラダブの振り回す戦斧は怪物の域に達するほどの恐るべき威力を持ち、通常の2点
ではなく3点のダメージを与えてくる。

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