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 小部屋の扉を開けると、その先には突きあたりが霞むほどに長い通路が伸びていた。
 『方角と距離を考えると、ここはもう海中のはずです』
 ルルの感覚を信じるならば(これまでの経験上、疑う余地は皆無なのだが)この通路
は海の底に作られているようだ。遺跡と呼ばれるような年月を経ても水漏れひとつして
いる様子がない以上、構造に問題は無いはずだが、やはり海底を何の準備も無く歩い
ていくと思うと不安が過ぎるのは避けられなかった。
 『心配することはありません。私を身に付けてさえいてくれれば命に関わることにはな
りませんから』
 思わず腰に佩いたルルの柄を握る手に力が入る。
 『抱きかかえていてくれても構いませんよ?』
 ルルが人であったなら笑顔を見せただろう。その気遣いに心が落ち着く。

  ・ 通路の先へ進むなら(140へ
  ・ 封じられた扉の前まで引き返すなら(211へ
 なお、こちら側から透明な壁を通る際はもうキーワードを解く必要は無い。