113 【 時間点+1 】 君が巨大な円形に近い空洞に足を踏み入れると、そこはこの洞穴に入ってから今まで に見てきたような岩ばかりの光景ではなく、蔓や蔦等に加え地下茎までもがはびこる緑 の空洞になっていた。どこから流れてくるのかは不明だが、わずかに潮の香りがする風 も漂ってきている。その光景の中で、緑の中から幾つも飛び出している黄色の大きな実 のようなものが目を惹いた。 それは一抱えほどの大きさがあって、柑橘系の果実に似た幾つかの房をひとまとめに したような形状をしているが、滑らかに見える外皮あるいは殻はかなり固そうだ。 果たして食料になり得るものだろうかと思案していると、 『包丁代わりは嫌よ』と先を制したルルの声で意識を引き戻された。 確かにこれを切るのにルルを使えれば容易いだろうが、そもそも時間をかけて食料に なるかどうかを調べる余裕があるわけではない。とはいえ残り食料が乏しい場合、ここ は思案のしどころだ。もしこの空間こ転がっているものが全て食料になれば、今後の探 索を続けるにあたってきっと役に立つだろう。 ・ 食料の確保を優先するなら(128へ) ・ 探索を続けるなら(97へ) |