71 何か物音が聞こえたような気がする……。 ランタンの灯りを絞りつつ警戒を強め、ひと際大きなガラクタの山を回り込もうと した時、突然ガラクタの向こうから奇声があがった。 物陰に隠れて覗いてみると、そこには1体の奇妙な生き物がいて、ガラクタを 積み上げる事に熱中しているようだった。 人間の子供くらいの痩せぎすな身体に長い手足、大きなよく動く瞳。 そして彼(彼女?)は、様々な布の切れ端を利用した派手な衣服を身に着け ていた。 その服装も含め、この生き物なりの美的感覚による芸術なのかもしれない。 足元のガラクタを拾っては、途中まで積み上げたものに積んだり離したりを繰り 返し、頭を捻っては捨て、別のガラクタを物色している様子は滑稽でもあるが、 ここで笑うわけにはいかない。 幸いにもまだ気づかれていないようだが、どうするか。 ・ この生き物に声をかけるなら(93ヘ) ・ 気づかれないように立ち去るなら(57へ) |