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 天井が高く、様々な文様が壁に刻まれた通路を少し歩くと、その先には、
これまでで最も大きく緩やかなアーチ状の天井をもった広間が開けていた。
 床は大理石に似た石材でできており、劇場の舞台のような、部屋の幅に
等しい大きさの石段を降りると、屋外へと至る巨大な扉まで、亀裂の入った
石柱が等間隔に並んでいる。
 天井にも壁にも既に崩壊が見られ、何条もの光の束が床に差してはいるが、
この建物自体が崩壊するまでにはまだ長い時が必要だろう。


 ここまでくればもはやランタンも松明も要らない。
 いよいよこの息苦しい闇の中から抜け出す時が来たようだ。
 だがそれは、地に倒れた石柱と見紛う大蛇に喰われなければの話だ。
 まだ君に気づいた素振りは見せていないが、その鋭敏な感覚が君を捉える
のも時間の問題だろう。
 晴れて日差しの下へと踏み出すために、君は?


・ 大蛇に攻撃をおこなうなら(97へ
・ 大蛇の胴体を飛び越えて扉まで進もうとするなら(107へ
・ 何かで大蛇の気を逸らして駆け抜けようとするなら(81へ