25 呼吸を静めて、広間の入り口に立つ。 念のため灯りを絞っておこうかと考えたが、この闇の中であれば、どんな小さな 光源でも眩く光るだろうし、ここの生き物は常に闇の中で暮らしているのだから、 むしろ目眩ましの効果があるかもしれない。 そう考えた君は、ランタンの光量を最大にし、さらに油を吸い込ませたぼろ布を 棒切れに巻きつけて作った松明を、自分より先に広間の奥へ投げ入れた。 その結果、階下への階段のような窪みが床にあるのが見えるようになった。 上手く走り抜ければ、無傷で先へ進めるようにも思える。 そして君は広間に踏み込んだ(51へ) |