132 タイミングを見計い、身を翻らせつつ振り払った短剣は、加速のついた大蛇の 顎の筋を見事に断ち、眼元までを切り裂いた! たまらず突進を止めて離れようとする大蛇の下に潜り込んだ君は、全身の力を 振り絞り、その喉元に短剣を突き上げ、捻り込んだ。 根元まで深々と刺さった刃を抜くと、大量の血液が噴き出して君を真っ赤に染め たが、それこそがまさに君の勝利の証たるものとなった。 血の帯をひきながらも僅かにのたうった後、大蛇は動かなくなった。 大蛇の息の根を止めたことを確認するために君がその頭部を見やると、顎の端 から何か光る物が見えている。 おそらくこの大蛇が呑み込んでいたのだろう、粘液にまみれたそれをよく見てみ ると、断面が四角形の細く透明な石だった。 もしかしたら、これと同じような物をどこかで見かけた事はなかっただろうか。 いずれにせよ、この石を持っていっても構わない。 頭から滴る血を拭いながら、君は広間を出て行く(83へ) |