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風雨にさらされ、屋根も壁も崩れ落ちた小屋の跡に残っているものは、
石造りの頑丈そうなかまどと、錆びついた鉈や手斧、それに陶器の器
くらいのものだった。
それらは徹底的に手入れをすればそれなりに使えるようにはなるだろう
が、そこまでの価値は無いように思える。
ただ1つ、壺の中に入っていた2枚の銀貨は今後の足しになるだろうし、
拾っていっても構わない。
君は道を引き返し、もう一方の道を進むことにした。
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