102 君は真横に身を転がせた。 その直後に大きく口を開けた大蛇が君の足をかすめていき、正面の扉に 激突する。 衝撃が壁に伝わり、扉に亀裂が走ったかと思うと真っ二つに割れた。 と同時に、かろうじて崩壊を逃れていた周囲の壁や天井が支えを失って 落下してきた。 君は粉塵を避けつつ様子を見ていたが、大蛇の頭部は完全に埋まってしまい、 生きているかどうかは定かではない。 すぐに動いてこないところを見れば、少なくとも失神でもしているのかもしれない と判断した君は、瓦礫を踏み砕きながら慎重に壁の穴を抜けた。 危機が去ったかどうかはともかく、これで遂に暗闇の中からは解放された。 (83へ) |