型想いで複製する

written by t.akiba & studioKotatsugaHouse 2005.12.11
last update 2007.01.04


はじめに

「型想い」や「型思い」でググって来られる方が毎月コンスタントにいるので、それじゃあってんで型想いの使用方法についてまとめておきます。
以下の方法は熱湯を使用しますので、火傷には十分注意して下さい。

もっと複製に精度が欲しい場合はシリコンで複製をしようのページも参照して下さい。


型想いとは何か


株式会社ワークアソシエイションが販売している「お湯で2分何度でも使えるかんたん型取り材」です。型取りには他にもシリコンを使った方法が知られていますが、型想いは使用済みの型を柔らかくしてまた使えるという特徴があります。
同様な製品にDIYショップや文房具店で売られる「おゆまる」がありますが、わたしの近所では見かけません。

わたしは型想いを2セット分をひとまとめにして使用しています。何となく買ってしまったんで...

型想いは分離しても暖めればまた合わせる事が出来るので、カッター等で切っても平気です。
原型に張り付かないので塗装を侵す事もありません。

欠点は、原型を型想いに押し付けるので柔らかい原型に使用出来ないのと、シリコンに比べて溝の奥の方まで正確に型取りできません。しかし程度の問題で、気軽に複製出来るという点で十分カバー出来る問題です。どうせ複製したあと仕上げをするんだし。
型想いは熱で柔らかくなるので、ポリパテやエポキシパテを中に詰めて熱を加えて硬化を促進させるという事が出来ないのも人によっては欠点になるでしょう。




使い方

ポットからコップに熱湯を注いで、その中に型想いを入れれば柔らかくなります。電気保温機能付きポットなら再沸騰した熱い熱湯でやると早く柔らかくなります。保温状態のお湯では実際には表示よりも温度が低い場合がありますので。
早速やってみましょう。最初は片面からやってみます。


これを複製してみます。


原型が覆えるくらいの型想いを用意します。多い分には構いませんが、全体が柔らかくなるまで時間がかかります。写真の量で2/3くらいです。型想いは購入時は透き通っていますが、写真のは濁っています。理由は後述します。
現在の固さが固まった状態の型想いの固さなので、手で触ったこの感触を覚えておきます。


コップに熱湯を入れ、型想いを入れます。ピンセットや割り箸等でつまんでみて、芯まで柔らかくなるまで暖めます。十分熱い熱湯なら、写真の量なら10秒ほどで柔らかくなります。
取り出しには、やはりピンセットや割り箸等を使用するといいでしょう。タオル等で水分を取れば我慢して持つ事も出来ますが、火傷するので熱いうちはタオル越しに扱うと良いかと思います。肌が熱に弱い方は、それなりに自衛策をとって下さい。わたしは慣れてますが。


型想いが柔らかいうちに原型を押し付けます。むにっと。冷えると型想いと原型の間の隙間がそのまま固まりますので、その部分に隙間があったらマズい時にはその部分が密着するように気をつけて押し付けます。
完全に覆ってしまって、そのままでは取り出せないようになってしまっても、冷えたあとで型想いをカッターで切って原型を取り出します。


そのまま冷えるまで待ってもいいですが、水に漬けると早く冷えて固まります。確実に固める為に、そのまま待つのはお勧めしません。水は冷水である必要はなく、常温の水で十分です。水に10秒ほどさらせば固まります。
固さが最初の状態になったら原型を外します。原型を型想いで覆ってしまった時は、この時にカッターで型想いを切って取り外します。
これで型がとれました。


あとは適当に型にエポキシパテやポリパテを詰めて固めます。写真はタミヤのポリパテを詰めた所です。奥まった所にもポリパテを確実に詰め込む為に、綿棒でポリパテをとり練り込んでいます。ポリパテの使い方はポリパテのパッケージの裏の注意書きを読むかググって下さい。
レジン等の硬化時に熱を発する素材を使用すると、その熱で型想いの角部のエッジがダレるそうですが、どれくらい変形するかは未確認です。


ポリパテが固まったので取り出してみた所。あっというまにガッちゃん2号が。
角部分の再現度はこれくらいです。
今回は顔の表面だけ欲しかったのでこんな感じですが、耳の方まで正確に複製したい場合はその部分まで密着させる必要があります。
型想いにポリパテの屑が付いていますが、使用後にはこれを全てきれいに取り除きます。取り除かなかいと型想いに混じってしまって取り除くのが非常に困難になります。っていうか、取り除けなくなって諦めた型想いが、今回使用している型想いです。改めて上の方の写真を見てみると型想いに混じった白いツブツブが見えると思います。


あとは適当にデザインナイフ等で余分を切って好きなように加工します。原型を切ったりしたくないけどネタに使いたい場合に威力を発揮しますね。


二面

もっといろいろ複製してみましょう。筒状の原型を複製する事にします。
型想いの購入当時の色は以下の写真の透明度です。


ホットプレートを持ってる人は煮てもいいです。


内側に型想いを押し込みます。外側を先に作ると、型想いを原型に押し付けた際に原型が歪みます。まぁ内側から無理に押し込んでも歪みますが。
あとあと複製したものの削りやすさを考えて、上に少しはみ出させています。


水に漬けて冷まして固めます。


余分をカッターで切り取り、今度は上から別の型想いを被せます。上から熱い型想いを被せる程度なら、すでに冷えた型想いはあまり柔らかくなりません。


でも不安なので、早めに水に漬けて冷まします。


取り外すとこんな感じです。


あとはまた同様にポリパテを詰めて複製します。


固まったら余分を切り取って複製完了です。


三面以上

ここまでくると、あとは応用です。


型の合い方に注意すれば三面以上も出来ます。この写真の例だと、上半身と下半身が分かれているのを一体に型取りしています。
スカートの中の型を芯が寄らないように保持させる為に、スカートのすその合いが上手くはまるように気をつける必要があります。
スカートの中は全部型想いで埋める必要はないので、型想いの中央部は穴をあけて使用量を減らしています。


ポリパテで複製したもの。多い分には削ればいいので細かい事は気にしません。
足りない部分はあとでポリパテを詰めます。
写真の型想いが二つ写ってますが、これはスカートの中の型で、最初に少し中に詰めて、次にまた型想いを足して型を作ったんですが、冷めた型想いには熱い型想いを合わせても同化しないという例です。ポリパテから外す時に力任せに引っ張ったら別れてしまいました。でもワンオフ複製の型想いなので全く気になりません。これがシリコンなら泣けてきますが。


そして余分を切り取り色を塗ったもの。この複数のパーツを一体に複製するというのも面白い使い方です。


失敗事例


楽しい失敗事例のコーナーです。
と言ってもあまり失敗という失敗はないんですが...
上でも言いましたが、ポリパテで複製した場合、使用後に完全にポリパテを取り除かないと型想いが濁ります。
ポリパテはシンナー臭がするので、他の人に気を使います。換気も必要ですね。あとポリパテはプラ棒を溶かしますので、ポリパテ硬化時にプラ棒も一緒に固めるとネットリもげたりします。
あと最初にも言いましたが、型想い取り扱い時にはヤケドに注意して下さい。皆さんそれぞれどれくらいの熱さに耐えられるか違いますので、気をつけて下さい。


おわりに

最初に写真を撮ってから公開までに一年もかかってしまいました。一面の写真は公開日当日に撮ったものですが、それ以外の写真はちょうど一年前に撮ったものです。

手軽さと素早さで短時間に複製したい時には大変役に立つものだと思いますので、知っておくと便利かと思います。




変更履歴

2007.01.04:シリコンで複製ページへのリンクを追加。 2005.12.11:公開。