「なあ、本当に幸せか?」
 俺は、まわりに横になっている彼女らに 聞いてみた。返事はわかっているが、何度でも聞いてみたいのだ。
 「ご主人様といられれば、幸せなのよね。」
 俺を必要としてくれる返事を、確かめたいがための質問だ。
 「でも、ご主人様は あの方も幸せにしたいのではないのですか?」
 琴音ちゃんの何気ない質問。
 「そうですねぇ〜、けっこうご主人様も気になさっているみたいですし。」
 「 ・・・彼女も、求めています。」
 彼女らは、本当に良く知っている。
 「で、どうするんだ?」
 彼女らの企み。。。
 「そりゃ、もちろん ご主人様を独り占めなんてさせない。ご主人様のものになって、私たち共にあることが 幸せなの。」
 綾香が、力説している。
 「本当は、私たちだって ご主人様を独り占めしたい。でも、それができないことがわかっているから こうして私たちは共に幸せを分かち合っていられる。その関係を崩されないためにも、あの娘を仲間にくわえなきゃダメなのよ。」
 彼女らは、自分の居場所を守るために 新しい仲間を作ろうとしている。
 「俺が、あいつを放っておけなかったばっかりに 苦労かけるな。」
 「慣れました。でも、そこがご主人様のいいところなのです。」
 芹香さんが、俺にすり寄って来ながら 答えた。
 「ご主人様は、いつも通りにしていてください。私が、全て準備いたします。でも、ご主人様の名前を使うことは ご了承くださいね。」
 「ああ、わかったよ 琴音。」
 「では、作戦会議ですね。」
 琴音ちゃんは、嬉しそうに声を上げた。なにが、そんなに楽しいんだろう。
 ・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・
 ・・・・・・
 ・・・
 ・
 ・
 ・

 「マルチ、頼んだぞ。」
 「はい、おまかせください。」
 放課後、俺達は 作戦を実行するために集まっていた。
 「俺と琴音ちゃんは、影で見ているから 安心しろよな。」
 「はい、わかりました。では、行って来ます。」
 そう言って、マルチは下駄箱の方へと走っていった。
 「ご主人様、私たちは隠れましょう。」
 「そうだな。 ・・・琴音ちゃん、外ではご主人様っていうのは ヤバイって。」
 「あっ ・・・そうですね。すみませんでした。ふふふ・・・ 。」
 俺達は、マルチが見える位置で 身を潜めた。
 「ドキドキしますね。」
 「ああ。」
 こんなところを知り合いに見られたらと思うと、ドキドキするぜ。
 「私、藤田さんと二人っきりになったのって久しぶりだから ドキドキして身体が火照っちゃってます。」
 琴音ちゃんは、ずいぶんと明るくなって積極的になった。それに・・・
 「おいおい、こんなところでサカッちゃダメだぜ。後でだ。」
 「はい。」
 琴音ちゃんは、内股にしてモジモジさせて 俺の言葉に従った。
 「そろそろかな。」
 もうそろそろ、ターゲットが姿を現してもいいころだ。
 それにしても、ちょっとは落ち着けよ マルチ。そんなにソワソワしていたんじゃ、怪しまれるだろうが。
 「ハアハア・・・ 」
 我慢しているのがわかる、琴音ちゃんの息づかい。俺の耳のすぐ横で、熱い吐息を漏らしている。
 「おっ、でてきたようだぜ。」
 マルチの動きに、反応があった。
 ピタッ
 「?」
 「ご主人様ぁ〜。」
 琴音ちゃんが、身体を密着させて 擦りあげてくる。
 「我慢しろよ。」
 「す、すみません。で、でも・・・ 」
 「とに、しかたねぇな。ちょっとだけだぜ。」
 俺は、発情してしまった琴音ちゃんのスカートの中へ 左手を後ろ手にして潜り込ませた。
 「んんっ!」
 指先に濡れたパンティの感触。そして、プックリと膨れ上がったクリトリスがわかる。
 「あ、ああっ!」
 「声をあげるなよ。」
 「は、はい。 ・・・ぁぁぁ・・・ 」
 琴音ちゃんは、声を押し殺そうと 制服の袖を噛んだ。

 「こんにちは。」
 「んっ? マルチやないの。どないしたん? 藤田くんなら、さっさと帰ったで。」
 「はい、知ってます。あのぉ〜・・・ 」
 「なんやの? 私に、なんか用事かいな?」
 「はい。そのですね・・・ ご・・・ 浩之さんに、保科さんを連れてくるように言われたんです。それで、一緒に来てくださりませんか。」
 「藤田くんが? とに、しょうがないやっちゃな。自分で、迎えに来いっちゅうの。」
 「先に行って、待っていると言ってましたので。」
 「さよか。じゃ、とっとと行こか。」

 「おっ、動き出した。なんとか、怪しまれずに済んだみたいだな。」
 まあ、誰もマルチが騙そうなんてすると思ってないだろうから 信用するわな。
 クニ クニ
 「あうっ・・・ ああんっ・・・ 」
 布越しでも、ハッキリとわかる琴音ちゃんの豆を指先で転がすと さらに歓喜の声をあげた。
 「行くぞ、琴音。」
 「えっ・・・ あ、は・・・ い。」
 俺に応えて歩き出そうとしたが、足がふらついて俺にからだを預けてきた。俺は、あわてて琴音ちゃんを抱き止めると 力が入らないようで フニャフニャしている。
 「とに、手間かけさせやがって。」
 俺は、マルチの方も心配だったが あの様子じゃ たぶん怪しまれずに館の前までは行けそうだと思った。
 それよりも、今はこの状態をなんとかせんと。
 「Oh! ヒロユキ、なにしてるネッ!」
 「おわっ!」
 俺は、ビクッと反応して声のした方を向くと 道着姿のレミィがこっちを見ていた。
 「なんだ、レミィか。」
 「その娘、どうしたノ?」
 俺が、抱きかかえている琴音ちゃんを見て 不思議そうにしている。
 「顔見知りの娘なんだけど、気分が悪いって言うんで 家まで送るところさ。」
 とっさに出た嘘とはいえ、定石っぽいセリフだったと思う。
 「Oh、さすがヒロユキネ。優しいデェ〜ス。」
 「まあな。」
 マルチたちが、どんどん先に行ってしまう。
 「私も、手伝うネ。」
 「だ、だいじょうぶだ。俺一人で、なんとかなるぜ。それに、レミィはこれから部活だろ?」
 「そうだけど・・・ 本当にだいじょうぶナノ?」
 「ああ、俺を信用しろって。それとも、信用できないのか?」
 「ううん、そんなことないネ。信用してるヨ、ヒロユキ。」
 琴音ちゃんは、俺達のやり取りを ジッとしてやり過ごそうとしているみたいだ。
 「ありがとな、レミィ。」
 「うん。じゃ、私も部活がんばってくるネ。」
 レミィは、いつもの明るい笑顔を振りまいて 去っていった。本当に、気持いい性格してるよ レミィは。
 金髪のポニーテール姿が見えなくなるまで見送っていると、琴音ちゃんが うつむいていた顔を起こした。
 「今の方と、どういった関係なくですか?」
 「一年の時のクラスメイトさ。ハーフのアメリカ人だよ。みんなから空かれるような性格だし、誰にでも差別なく接してくるからな。レミィを嫌いな奴は、いないんじゃないかな。そのうち、琴音ちゃんにも紹介してやるよ。」
 そう言って琴音ちゃんを見ると、さっきよりはずいぶんと落ち着いているようだ。レミィが現れたんで、冷静になれたんだな。
 「さて、だいぶ遅れちまったな。」
 「す、すみません。。。」
 琴音ちゃんは、シュンとなってしまった。
 「ま、いいさ。尾行に、アクシデントは付き物さ。しょうがねえから、表通りまで出て、タクシーで先回りするぜ。」
 「はい、わかりました。」
 俺達は、足早に学校を後にした。
 マルチが、なんとか委員長を館まで連れていけることを 祈るだけだ。

 「あら、ご主人様 どうかされたんですか?」
 俺と琴音ちゃんが、マルチたちより先に着いてしまったんで 不思議に思っている綾香。
 「まあ、予定外のことがあってな。な、琴音ちゃん。」
 「 ・・・はい。」
 琴音ちゃんは、俺に隠れるようにして 返事した。綾香に脅えているようにもとれる。
 その様子に、綾香は 何かを感じたようだ。
 「そうですか。」
 ジッと、琴音ちゃんを見る 綾香。
 「いいじゃないか。な、綾香。」
 俺は、一応 綾香に釘を刺しておくべきだと考えた。綾香のことだ、おねだりしてくるに違いない。平等に接することが、大切だからな。
 「俺は、誰も特別扱いはしていないぜ。そのことを、わかってるだろ?」
 「は・・・ い。」
 「よし、いい娘だ。」
 俺は、綾香を抱き寄せた。
 「あっ・・・ 。」
 綾香は、無言で身体を預けて 俺を確かめるかのように両腕をはわした。
 「俺は、・・・ 綾香たちの不安を こうして受け止めることしかできない。少しでも不安を感じるんだったら、いつでもこれぐらいのことはしてやるぜ。だから、怖がるな。」
 俺の言葉に、腕にギュッと力を入れることで応える綾香。
 「さあ、マルチたちがやってくるぜ。二階に上がって待とう。」
 もう、彼女たちが来るまで そうは時間がないと思う。あわてた気配を感じさせるのは、勘のいい委員長のことだ 館に入ることを戸惑うかもしれない。
 「はい、ご主人様。さあ、琴音も行きましょう。」
 スッと俺から離れた綾香は、いつも通りの綾香に戻っていた。
 「はい、綾香さん。」
 俺達は、門が見える部屋へと移動することにした。
 新しい猫が、やってくるまでの ほんのわずかな時間の流れを過ごすために。

 そして、数分後・・・ 彼女らは、やってきた。
 偏光フィルムによって、外からは中が見えないガラス越しに 俺はマルチと委員長を確認した。ここから見た感じでは、委員長に怪しまれてはいないと感じる。
 「ここです、保科さん。」
 「ここに、藤田くんがいるんか? なんでまた、こんなところに居るん?」
 あらかじめ設置してある集音マイクで拾った音声が、スピーカーから聞こえてくる。
 「はい。芹香さんが、お茶会をいつでも開けられるように 私たちに開放してくださっているのです。あ、芹香さんというのは 3年生の来栖川芹香さんのことです。」
 「来栖川? ああ、あのいつもリムジンで 送り迎えされているお嬢様やな。」
 「はい、そうです。」
 「でも、そないな人と藤田くんが知り合いやなんて 意外やわ。」
 意外か。たしかに、そうかもしれんな。今のこの状態が、一番意外かもしれないけどな。偶然の悪戯が、出会いを作ってしまったんだから。
 「ま、ええわ。はよ入ろか、マルチ。」
 「はい、どうぞ。」
 委員長は、とうとう罠とも知らずに この館に入ってきた。もう、逃げられないぜ。
 「入ってきましたね、ご主人様。彼女は、どんな猫になるんでしょうね。」
 綾香は、妖しく笑った。
 「ねえ、ご主人様。あの娘、私に任せてくれませんか?」
 「どうしたんだ、綾香。」
 「なんか、あの娘気に入っちゃった。気が強うそうなところなんて、いいわ。」
 綾香が、すごく乗り気だ。いったい、どうしたというんだろう。
 「ま、いいか。綾香に任せるぜ。」
 「ありがとうございます。」
 「あのぉ、私はどうすればいいのでしょう。」
 それまで、おとなしくしていた琴音ちゃん。
 「そうだな・・・ 最初の予定通り、綾香に従ってくれ。」
 「はい。」
 最初の予定は、結構狂っちまったが これくらいは支障ない。
 「綾香が、何をしたいのか俺にはわからないが 好きにすればいいさ。俺は、傍観させてもらうぜ。」
 彼女らが、委員長をどうするのか それが委員長を仲間にすると言い出した時から 知ってみたいことだった。
 「あ、リビングに入ったようです。」
 リビングルームを映し出したモニターに、二人の姿が現れた。
 委員長を仲間にするための準備は、全て整っている。後は、時がくるまで監視して 待つのみだった。
 「これらが、全て罠だったと知ったら どんな顔をするでしょうね。」
 綾香は、いったい何がしたいのだろうか?
 「外見は、まあまあやったけど 中は結構きれいにしてるんやな。なかなかええ雰囲気や。」
 「そうですか? ありがとうございます。」
 「ここに集まって、お茶会するんやな。」
 「え? あ、そうです。ここで、皆さんお話したりしてます。」
 「ふ〜ん。」
 「あ、座っててください。今、紅茶を出しますから。」
 「そっか。なんか悪いなぁ。
 それと、藤田くんは? 先に来てるんと、ちゃうんか?」
 「あ・・・ あの・・・ へ、変ですね。どこかで、寝ているかもしれません。」
 「とに、人を呼びつけといて 姿を現さんとは失礼なやっちゃ。」
 「私が、探してきますから。はい、どうぞ。」
 「ありがと。ん〜、ええ香りや。」
 「芹香さん特製のハーブティーだそうです。」
 「ふぅ〜ん。」
 「では、私は浩之さんを呼んで参りますので ごゆっくりしていてください。」
 マルチは、計画で任されたことを これで全部遂行したことになる。
 あの先輩特製のハーブティーを委員長が飲んで、効き目が現れれば いよいよ始まるのだ。
 「さて、おまえたちも着替えてこいよ。」
 「はぁ〜い。」×2
 二人は、この館での正装に着替えるために 部屋を出ていった。
 一人になった俺は、モニターに映る委員長を見つめた。
 そこには、なんの躊躇いもなく紅茶を口にする姿があった。
 「 ・・・そういえば、マルチは俺が先に着いていることを知らなかったな。こちらが委員長の行動を把握できるからいいか。」
 リビングでくつろぐ、委員長。なんとなく、ペットの観察をしている気分になる。そうはいっても、これからペットにしようっていうんだからな。
 「さて、委員長はどんな痴態を見せてくれるか 楽しみだ。」
 俺に全てをゆるした委員長が、俺から逃げることはないだろう。もう、彼女には 俺の元以外に帰る場所はないのだ。俺以外に、委員長の心を受け止めてやれる奴はいない。
 だが、綾香にしろ琴音ちゃんにしろ 同じ理由で俺の元にいるんだよな。
 そんなことを考えていると、委員長は出された紅茶を 全て飲み干していた。
 「遅いなぁ〜。」
 委員長は、そんなことを言いながら ゆっくりと瞼を閉じていった。
 「なんか、ねむ・・・ く・・・・・・ 」
 ソファーに深くもたれかかるように、委員長は眠りについた。
 「本当に、先輩の作ったものは よく効くぜ。」
 委員長が飲んだハーブティー。先輩が、特別に調合したものだ。
 普段は、俺のことを考えて 精力増強作用の香茶を用意している。
 だが、委員長に飲ませたのは 鎮静作用だけを求めた”睡眠茶”なのだ。
 「完全に寝ちまったな。」
 かすかな寝息が、マイクに拾われて聞こえてくる。
 「そろそろ、綾香たちの準備もできるだろう。マルチも呼んでやらんとな。」
 モニター類のスイッチもそのままに、俺は部屋をでた。そこに、丁度マルチがやってきた。
 「あ、ご主人様ぁ!」
 「マルチ、よくやったな。」
 ポフッ
 マルチは、俺に抱きついてきた。
 なでなで
 「あっ!」
 「俺が見ていなくても、ちゃんとやれたんだ。ご褒美をあげなくちゃな。」
 「えへへ、ありがとうございます。」
 マルチは、うっとりとした表情で 俺に誉めてもらったことに満足しているようだ。
 「委員長も寝ちまったから、これからが本番だ。みんなは着替えてるから、マルチも着替えてこいよ。マルチには、まだ役目が残っているしな。」
 「はい。では、後ほど。」
 マルチは、俺から離れると 着替え専用の部屋へと向かった。
 そして、一人になった俺は 階下のリビングへ委員長を見に 足を向けた。
 罠にはまった委員長は、どんな夢を見ているのだろう。
 これから起こることも想像できず、なにか幸せな夢でも見ているのだろうか。
 静かな館の中を、階段を降りる俺の足音だけが聞こえる。
 静かに眠る委員長を目の前にして、俺は何を感じるのだろう。
 階段を降りきると、リビングルームのドアの前にたたずむ 先輩を見つけた。
 「芹香、どうかしたか?」
 俺の声に反応して、振り向く先輩。
 フルフル
 首を振る先輩。たぶん、俺が来るのを待っていただけなのだろう。
 すでに、正装に着替えているところをみると そう思えた。
 「完全に眠っているようだから、中へ入ろうぜ芹香。」
 俺が、ドアを開けようとすると 先輩は俺の腕に腕を回して ぴったりとくっついてきた。
 「どうしたんだ?」
 先輩は、何も言わず しがみついている。
 「芹香が、安心できるなら好きにすればいいさ。」
 俺は、しがみついた先輩と共に リビングルームに入った。
 寝息をたてている委員長。
 少しだけずれたメガネ。
 楽しい夢でも見ているのか、笑っているように見える。
 「すまんな、委員長。不器用だから、こんなことしかできないけど わかってくれよ。」
 寝ている委員長を前に、少しだけの後悔を振り切るように 謝ってみた。
 「
ご主人様・・・ 。
 「心配ないぜ。」
 コクッ
 「とりあえず、綾香たちの来るのを 待つか。今回は、綾香に任せることになってたからな。」
 俺は、委員長の向かいのソファーに腰を下ろした。
 先輩は、俺にくっついたまま 床に腰をおろした。
 「なあ、芹香は 委員長のこと どう思う?」
 なにか話していないと、やるせない気持ちが そう質問させた。
 「
 ・・・そうですね。かわいい人だと、思います。そして、私たちと同じように 真っ直ぐな気持ちを持っている人だと。
 「そう・・・ だな。」
 そうだったから、委員長をほっとけなかったかもしれないと 今更ながら思う。まあ、回りから孤立して 寂しそうだったというのもあるけれど。
 俺が、ジッと委員長を見ていると 先輩が俺の手に手を重ねてきた。
 「どうした?」
 「
悩みがあるのなら、おっしゃってください。私にお助けできることでしたら、なんでもしますから。
 「ん、ありがと芹香。」
 優しい先輩の気遣いで、俺のくすんだ気持ちも晴れていくようだ。
 「ご主人様、お待たせしました!」
 綾香を先頭に、やっと着替えを終えた3人がやってきた。
 「遅くなって申し訳ありません。」
 琴音ちゃんが、少し火照っているように見える。
 「綾香、琴音で遊んでいたな。」
 「 ・・・はい。申し訳ありません。少しばかり、琴音にお仕置きをしていました。」
 琴音ちゃんを許してやれと言ったのに、綾香のやつ。
 「そっか。まあ、ほどほどにな。
 だが、俺の目の前で これからはすること。目の届かないところでやったら、許さないぜ。」
 「あ、はい。わかりました、ご主人様。」
 綾香は、小さくなって答えた。
 「だいじょうぶだよ、芹香。」
 俺ほ心配そうな目で見ている、先輩。俺は、先輩の手を優しく握り返した。
 「さて、どうするんだ 綾香?」
 全てを仕切ることになっている綾香が、どう行動するのか?
 「そうですね。まず、服を全部脱がします。それから、お腹の中を綺麗にします。ただ、それをオムツにするのか お風呂でプレイするのか ちょっと迷ってます。」
 「つまり、どちらにしても みんなの目の前で辱めるってことか?」
 「お嫌ですか、ご主人様?」
 「綾香に任せたんだから、好きにすればいいさ。」
 綾香に任せた以上、手出しは控えた方がいいだろう。下手にかばうことは、ここでの公平さを欠いてしまう。
 「わかりました。では、両方ということで。後は、ご主人様の見ている前で 私たち全員で彼女を猫にしたてあげてみせます。ご主人様の相手は、ご指名くださった者がいたします。」
 一応、段取りがついた。
 委員長の狼狽する姿が、目に見えるようだ。
 「じゃ、始めようか。」
 「はい。」×4
 そして、返事をした彼女らは 寝ている委員長を囲むようにして 服を脱がせ始めた。
 まだ、深い眠りについている委員長は 彼女らのなすがままに衣服を剥がされ その豊かな胸を露わにさせた。
 「へぇ〜、大きいですねぇ。」
 その大きな乳房を、タプタプと揺らして遊ぶ マルチ。
 綾香にも引けを取らないその乳房は、十分にその存在をアピールしていた。
 「そうですね。でも、綾香さんの方が大きいかも。」
 綾香と委員長を見比べて、琴音ちゃんが自分の胸を気にしている。
 「型が違うから、どっちが大きいとも言えないと思うけど?
 それより、遊んでないで。」
 綾香は、胸の大きさなど関係ないとばかりに 二人を諭した。
 「これも、取っておいた方がいいわね。」
 そういった綾香は、メガネと三つ編みを固定しているゴム紐を取った。
 パラパラと委員長の長い髪が、広がっていく。
 「けっこう、感じが変わるものね。」
 俺は、メガネを外し三つ編みを解いた委員長を見たことがあるから それは知っていた。これが、本来の委員長の姿なのだということも。
 「さぁて、お風呂に運びましょうか。」
 委員長から全ての装着物を取り除いた綾香は、次の行動に早々に移ろうとした。
 切り替えが早いというか・・・ 。
 「俺が、運んでやるよ。」
 「ご主人様のお手を煩わせるのもなんですけど、そうおっしゃるならお願いいたします。」
 俺は、寝ている委員長を抱き上げる為に かたわらに移動した。
 「あと、どれくらい寝ているのだろうな。」
 これだけのことをされても、まったく目覚めない委員長に 俺は少しだけの不安を持った。
 「
後30分程かと思います。
 香茶を飲んでからの時間経過から、先輩が答えをだした。
 「そうか。なら、少し急ぐか。」
 俺は、委員長を抱き上げ いわゆる”お姫様だっこ”というやつで 浴室へ移動することにした。
 「いいなぁ〜。」
 琴音ちゃんが、うらやましそうに声をもらした。
 「こんなことでいいなら、いつでもしてやるよ。」
 「本当ですか〜!」
 「ああ。」
 「ありがとうございます、ご主人様ぁ!」
 ガチャッ
 喜んでいる琴音ちゃんを後に、俺はリビングをでた。
 綾香を先頭に、俺、そして3人が連なって廊下を歩く。
 真っ直ぐに通る廊下の突き当たりが、大浴場になっている。
 この館は、基本的にメイドの人たちが住んでいたので 女性用の一つしかない。
 廊下を歩く俺の胸で、抱き上げている委員長が 少し身もだえした。たぶん、寒いのだろうな。
 やがて、連なって脱衣場へと入っていった。そして、浴場へ・・・
 広い浴室の洗い場に、静かに委員長を降ろした。
 「さて、どうするんだ?」
 「はい、お任せをっ!」
 綾香は、脱衣場から 拘束具の足枷とオムツを持ってきた。
 「姉さん、琴音、手伝って。」
 まず、オムツをさせるようだ。
 先輩と琴音ちゃんが、委員長の両足を持って 腰を浮かせた。浮かせた腰の下にオムツを射し込み、装着準備がされる。
 「OK!」
 綾香の声に、マルチが1リットル用のガラス浣腸器を持ち出した。もちろん、液はすでに入っている。
 その浣腸器を受け取った綾香は、迷うことなく委員長のお尻の穴へと 突き刺した。
 眠っていて、まったく抵抗のない委員長の中に すべての薬液が収まるまで わずかな時間しかかからなかった。
 「これでよし。」
 浣腸器が除けられたのを見た二人は、委員長の両足を開けるように降ろした。
 委員長の腰に、素早くオムツを着けると 今度は 足枷を着けた。
 両足枷の間には、棒があり 足を閉じられないようにしている。
 綾香が、足枷を着けている間に 先輩と琴音ちゃんが委員長の両腕を ガムテープで固定した。
 ・・・・・・
 ・・・
 「
そろそろかと、思います。
 そろそろとは、薬の効果が切れることを意味していた。
 先輩が、ジッと委員長の顔を見ている。
 その場にいる全員が、息を飲んで 目覚めるのを待った。
 瞼が、ピクピクと動いた。
 「あっ!」
 誰からとなく、声が出た
 ゆっくりと、瞼が開いていく。
 「 ・・・ん・・・ 」
 委員長が、声を漏らした瞬間
 キュルッ キュルルルルル・・・
 と、音がした。
 「うわぁ! お・お腹が・・・ 」
 浣腸液の効果が、委員長を襲ったのだ。
 「おはよう、委員長。」
 「藤田・・・ くん。うっ・・・ お腹が・・・ 」
 まだ、自分の身体がどうなっているのか わからないでいる。
 「ふふっ、いつまで我慢できるのかしら。」
 綾香の声に、委員長が反応する。
 「こ、これは? ど、どういうことやねん!?」
 やっと、自分の手足の自由を失っていることに 気づいたようだ。
 「うふふ、苦しいでしょ? 早く楽になりたいでしょうね。」
 綾香は、身もだえしている委員長のお腹に 手を押し当てた。
 「う・・・あ・・・ あんた、誰や!?」
 「私? 私は、綾香。ご主人様の猫よ。」
 そう言って、綾香は 俺にすり寄ってきた。
 「我慢も、そろそろ限界? だいじょうぶよ、オムツしてるから。」
 「オ・・・ ムツ? う・・・ ああ・・・ くるし・・・ い。ダメェ、出ちゃう!」
 脂汗を滲ましている、委員長。激しい腹痛と戦っているが、限界は目に見えている。
 「み・・・ 見んといてぇ。お願いや。後生やから、見んといてぇ〜〜〜っ!!!」
 委員長の絶叫とともに、放出する音が 聞こえた。音からすると、内容物の少ない水っぽい物だ。
 「あらあら、我慢が足りなくて 浣腸液だけでてしまったのかしら? ダメねぇ〜。」
 綾香は、少し残念そうだ。
 「
違います。あまり入っていなかったようです。
 「うっうっ・・・ 」
 涙を流しながら、嗚咽を吐く委員長。
 「なんで・・・ こんな辱めを受けなあかんのやぁ。うっうっ・・・ 」
 グチョグチョになったオムツで、気持ち悪そうに 腰をもじもじさせて泣いている。
 「ここにいる私たちは、みんな通った道なのよ。ま、人前でオムツまではさせられたのは あなたが初めてだけど。」
 「な・・・ なんや、あんたたち! 藤田くん、なんやのこれは!!」
 「ご主人様の猫と言ったでしょ。そう、ここにいる娘たちは 全員ご主人様の猫なの。ご主人様だけのものなのよ。」
 「なに言うてんねん! わけわからんこと、言いはんな!」
 「まあ、興奮しないで聞きなさい。」
 綾香が、仕方ないなという顔をしている。
 「こんなことされて、興奮しない方が どうかしてるとちゃうのか!」
 「そうねぇ、とりあえず 落ち着いてもらいましょうか。」
 綾香は、俺から離れると 委員長を押さえにかかった。
 「なにすんねん! 藤田くん・・・ たすけてぇな!!」
 「 ・・・ 」
 「無駄よ。私に全てお任せになったんだから、ご主人様は 何もせずに見ているだけよ。あなたが、いくら助けを求めようが 今は何もしてくれないわ。」
 妖しい面もちで、委員長を見下ろす綾香。
 「そんな、嘘や! 藤田くんは、私を救ってくれるっていうたやないか!!」
 じたばたと暴れる、委員長。
 「暴れないでください。」
 「
辛いのは、今だけですから。
 再び、先輩と琴音ちゃんが 委員長の両足を掴んだ。そして、押さえつけた。
 「今よ、マルチ。オムツを取ってあげて。」
 「はい。」
 「嫌ぁ〜っ!」
 身体を押さえつけられて、抵抗も弱々しく見える。
 「では、行きます。」
 オムツに両手をかけ、ペリペリとマジックテープを剥がしていく マルチ。
 「嫌っ! 嫌や!! 止めんか、マルチ!!!」
 「そう言われましても。」
 抵抗されてても、手を緩めないマルチ。
 「あら、なんにもしてないのに あそこが蜜でいっぱいです。」
 オムツを開けると、粘質の高い液体が 糸を引いたのだ。
 委員長は、M気質だからな。」
 「そうなんですか?
 ・・・えっと、それと あまり臭いませんね。あまり汚れていませんし。それに、ちょっと果物の匂いがします。」
 「ひっく・・・ ひっく・・・ 見んどいて。見んどいてぇなぁ〜っ!」
 あきらめたのか、声だけの抵抗をする委員長。
 「いやや。いやや。こんなん、いややっ! 助けて、助けてや 藤田くん。」
 「ご主人様、このままでは ちょっと・・・・・・ 」
 綾香は、委員長こんな姿を想像することはできなかったんだろうな。そういう俺も、こんな小さい子供のように泣きじゃくる委員長を 見るとは思わなかったぜ。
 「ああ、わかった。
 委員長、落ち着いて聞いてくれ。」
 「いやや、いややぁ〜〜〜。」
 俺は、泣きじゃくる委員長の前に屈み込むと 口で口を塞いだ。
 「むぐ・・・ むぐ・・・ ぷはぁ!」
 「委員長、俺たちは 辱めるためだけに ここに誘い込んだんじゃない。本当の俺の姿を見てもらいたかった。それに、委員長・・・ 智子にとっても、ここには決めなければならない選択肢があるんだ。」
 「こんな辱め受けて、何を信じればええって言うつもりなんか・・・ 」
 「恨むなら、俺を恨めばいいさ。俺が、認めさせたことなんだ。」
 「あの時、救ってくれるって言うたのは 嘘やの?」
 「いいや。嘘なんかじゃない。」
 「だったら・・・ なんで?」
 「その答えは、綾香たちの話しを聞いてから 智子がだすことなんだ。だから・・・ な。」
 「ひっく・・・ うん、わかった。」
 「よし、いい娘だ。」
 俺は、少し落ち着きを取り戻した委員長の涙を拭うと 二歩下がった。
 「先に、汚れを落としをちゃうからね。
 ・・・あ、あなた もしかしてダイエットしてた?」
 綾香が、押さえていた力を緩めて言った。
 「 ・・・うん。」
 「なんで、無茶なダイエットしてたの? たぶん、牛乳と果物くらいしか 口にしてないでしょ。」
 「 ・・・どうしてわかんの?」
 「赤ちゃんのウンチも、似たようなものだったからかな。」
 「もうすぐ夏だから・・・ 藤田くんに水着姿見せたかったし。勉強勉強で、弛んだとこもあったし。」
 「そっか。わかったわ。」
 綾香は、委員長を押さえるのを止めた。それを見た先輩と琴音ちゃんも、委員長から離れた。
 ただ、マルチだけが委員長の腰の下からオムツを取り出し 汚れた下腹部を洗おうとしている。
 「保科さん、今洗って綺麗にしますから。」
 「マルチ・・・ 。」
 委員長は、もう抵抗などまったくしなくなった。
 「保科智子さんだっけ・・・ 私の話を、聞いてくれるのかな?」
 「このままでも、ええのんか?」
 「まあ、できない話しじゃないから。
 私たちは、優しいご主人様が好き。優しいから、誰にでも声をかけるのよ。そして、心を掴んでしまう。私も、姉さんも、琴音も、マルチも。そして、あなたも。
 ご主人様に救われているのは、あなただけじゃないってこと。
 私だって、本当は ご主人様を独り占めしたい。でも、そんなことをすれば ご主人様は身動きできなくなってしまう。らしさを失ってしまう。私が好きになったご主人様じゃなくなってしまう。かかわった娘たちも、不幸になってしまう。
 だから、私たちは 自分のものではなく ご主人様のものになった。ご主人様のものになったことで、私たちは ひいきなく愛されている。」
 「気持ちは、わからんでもない。でも、本当にそれでええんか?」
 「はい、洗い終えました。」
 「ありがとな、マルチ。」
 「 ・・・不満じゃないと言えば、嘘になるけど 大切な今という時間を ご主人様と一緒に過ごしたいから ここにいるの。」
 綾香は、琴音ちゃんの時に言った事を 今度は委員長に言っている。
 「わかる気はするけど、なんで こないな辱めを受けなあかんのや!」
 おお、いつもの委員長に戻った。
 「これ、見てもらえるかな?」
 綾香は、転がっている委員長の上を跨いで お尻を両手でグッと開いた。
 「あっ!」
 真っ赤になっていた委員長が、それ以上に赤くなったような気がする。本当に驚くと、瞼が大きく広がるもんなんだな。
 「見えたようね。この尻尾を着けるために、お腹をきれいにする必要があったのよ。」
 「そんな・・・ 太っといのが・・・ 。」
 「お尻の穴、広がっちゃうかもね。でも、これはご主人様のものになった契約の証だから 着けないわけにはいかないの。ご主人様に愛していただくためだもの!」
 綾香は、尻尾を振って 自分の感情を大きく表現した。そして、一点の曇りのない目で 俺を見つめている。
 「えっ? 動くんか、それ。」
 「来栖川エレクトロニクスの技術が詰まっているからね。神経接続されているから、思いのままよ。」
 「そこまでせんと、ダメなん? そこまでせんと、愛してもらえへんの?」
 委員長が、俺の方を向いて 訴えるように言ってきた。
 「うんしょっと・・・ あなたの今までの経緯は 聞いてるわ。わかっていると思うけど、あなたの帰る場所は ここにしかないわ。ここで猫になることを拒否して、ご主人様を自分のものにしようとしても ご主人様はもう相手にしてくれないよ。」
 委員長の上から退いた綾香は、俺の元に近づいた。
 「そんな・・・ 」
 信じられないといったようだ。
 「私は、あなたたちと学校が違うから ご主人様に会える場所が限られている。ご主人様を取り合う相手が、姉さんやマルチだけなら ここまで考えなかった。あなたや琴音、幼なじみの娘とか 私に不利なことが増えたから。」
 「そんなん言われても・・・ 。」
 「そりゃ、こんなこといつまでも続くとは思えない。いずれ、ご主人様が誰かを選んでしまうとしても 私は一生懸命ご主人様を愛したいの。だから、公平さを保つために ここを作ったわ。」
 俺は、綾香がそこまで考えていたなんて 気づかなかった。
 「うちは、藤田くんが好きなんや。愛してる。このことは、誰にも負けへん自信はある。」
 とうとう、委員長も堕ちた。
 「最初から、答えは決まっとったんやね。うちは、藤田くんから離れられへん。離れても、いくところがあらへん。うちは、もうどんなことがあっても 藤田くんから離れられへんのや。あんな辛い日々、もう嫌やから。」
 ここに至って、委員長は本音を吐いた。
 ここでのこと・・・ 俺の隠していたことを知っても、委員長は気持ちを変えなかったのだ。それは、委員長が猫になることを 認めたのである。
 「自由にしてあげるから、想いの程をさらけ出しなさい。見栄V、琴音、お願いね。」
 カチャカチャ・・・
 二人が、足枷を外した。そして、両手のガムテープをはぎ取った。
 「ごめんなさいね、保科さん。私だって、ご主人様を愛してるの。」
 琴音ちゃんが、委員長の擦れて赤くなった部分を さすって言った。
 「わかったから、もうええんやて。私かて、不公平なことは嫌いやし。」
 委員長は、もう完全に吹っ切れたようだった。さっきまでの子供が泣いているような表情ではなく、いつもの何事にも一途な委員長になっていた。
 「でも、覚悟せいや。誰にも、負ける気はあらへんからな。」
 「ふふ、望むところです。」
 ちょっと似たような所がある、委員長と琴音ちゃん。条件は違えど、人を寄せ付けない辛い時間を 二人とも過ごしていたからな。
 「あっ!」
 なでなで・・・
 先輩が、委員長の頭を撫でている。
 「ちょ、ちょっと先輩・・・ なんか、こっぱずかしいな。でも、こんな気持ちも悪かないわ。」
 微笑ましい光景に、さっきまでの緊張感は微塵も感じられない。
 「さて、契約とまいりましょうか。」
 綾香は、新しい尻尾を持っていた。
 「うん。どうすればいいん?」
 「特別な言葉は、いらないわ。自分で思いついたままでいいの。」
 俺をジッと見つめた委員長は、ゆっくりとその場に正座した。
 メガネを外されて、俺の顔もよく見えないのだろうけど それでも俺の顔をジッと強く見上げてきた。
 「 ・・・・・・うちは、藤田くんが好きや。せやから・・・ どんな形にしろ、愛されたい。愛したいんや。
 だから・・・ うちを・・・ ご主人様だけの猫に・・・ してください。」
 「よく言えたな、智子。」
 俺は、膝を屈し 委員長に口づけをした。
 「んっ。」
 俺の舌が、委員長の口内をくすぐると すぐさま舌を絡めてきた。
 「んあっ・・・ 。」
 すかさず口を離すと、不思議そうにしている。
 「やっぱし、俺が尻尾を着けたやるよ。綾香、すまんな。」
 「いいんです。ご主人様は、お優しいのですから こうなることはわかります。でも、お手伝いさせてもらいますわ。」
 今回は、綾香がいつも以上に絡んでくるな。
 「綾香、お前の気持ちがわからないぜ。いったい、どうしたっていうんだ?」
 「なんとなく、智子さんが気に入ってしまいまして。その・・・ いじめられている姿に、ゾクゾクしたものを感じてしまいます。」
 綾香が、もじもじしながら言う。
 「なるほど・・・ 。自分の姿を、智子に写していたんだな。」
 「そうかもしれません。」
 「ま、いいさ。智子は、ここへ来るようになったんだから 時間はいくらでもある。スキンシップもいいが、ほどほどにな。」
 「はい。」
 綾香の意外な一面を、見たような気がした。
 「さて、着けてやるぜ 智子。尻を高くあげな。」
 委員長は、豊かな胸を潰すような格好で お尻を高くあげた。俺の目の前に、秘所とアヌスがさらけ出され ヒクついている。秘所からは、白濁した愛液が大量に溢れだして 太股を伝って落ちていく。
 クニュッ
 「あんっ・・・ いやぁ〜!」
 垂れ落ちる愛液を、俺は人差し指ですくい取ると 窄まりに塗りつけた。
 ツプッと、指先が入る。力を込めると、すんなりと奥へと入っていく。
 「あはぁ〜〜〜。」
 お尻が、いやいやと祖夕に振られる。俺の指をくわえ込んだまま。
 「おいおい、お尻が好きなくせに 嫌はないだろ。」
 「そんなこと・・・ 」
 「ないって言い切れるのか?」
 「 ・・・好きや。」
 「よく聞こえなかったな。」
 「 ・・・お尻が・・・ お尻の穴を弄られるのが好きなんや。もっと弄ってください、ご主人様。」
 「わかってるぜ、智子。」
 プチュッ
 「あんっ!」
 委員長のアヌスから指を抜くと、声を一段とあげる。
 ヒクヒクとうごめくアヌスは、新しい侵入物を求めているようにも見える。
 「それじゃ、いくぜ。」
 「はい、ご主人・・・ 様。」
 委員長は、一段と尻を突き出すようにして 待ちかまえる。
 回りで皆が見守る中、委員長のネコとしての第一歩が始まるのだ。
 ビト・・・
 尻尾の挿入部分の先端が触れると、拒むように収縮したすぼまりも すぐにその緊張を解いたのがわかる。
 その時、綾香が 委員長の両尻タブを左右にグッと押し広げ 挿入のサポートをする。
 ググッ
 ゆっくりと、回りを巻き込むようにして 埋まっていく。
 「んくぅ!」
 挿入と同時に、息を吐く委員長。
 巻き込まれていた菊口が、元に戻っていく。ローションと指による愛撫で、痛がる様子もない。
 「もうすぐ、終わるからな。」
 「う・・・ ん・・・ 。」
 もう一押しで、挿入部位が すべて収まるのだ。
 グクッ
 全てが収まった菊口から覗いているのは、毛の生えた稼働部だけということになる。
 カチッ!
 ブゥンッという低い音とともに、尻尾が稼働し始めた。
 「あはうっ! な・・・ なんやのこれ・・・ あうっ・・・ はあっ・・・ ええ感じや。」
 「どうだい、智子。」
 「入ってくる時は・・・ 太っとくて、苦しかった。でも、入ってまうと 気持ちよく感じるようになった。」
 「智子は、お尻を弄られるのが好きだからな。」
 「せや。うちは、たぶんお尻を弄られるのが好きなんや。ごっつう感じてまうし。でも・・・ それは・・・ ご主人様の前だけやで。」
 「ああ、わかってるよ。」
 委員長は、俺だけに笑顔を見せたのだ。俺は、それに応えるしかないんだよな。
 「ふ〜ん、いい顔するじゃない。」
 綾香が、委員長の笑顔を見て 言った。俺だけに見せた笑顔は、これからは俺達 ここにいる全員に見せなければならないのだがな。
 「そうなんだよな。俺は、それが見たくて 智子に声をかけていたんだ。」
 「いややわ。そんな・・・ でも、ありがとうございます ご主人様。」
 俺の前で、接続された尻尾が パタパタと動く。
 琴音ちゃんの時は、けっこう声を上げていたのに 委員長は平静を装っているのか?
 「智子、尻尾を着けられて なんともないのか?」
 「さっきから、ずっと感じてるのを 我慢してる。その証拠に、うちのあそこ・・ ぺちょぺちょになったまま 全然止まらへんのや。」
 そう言われてみると、委員長の太股を大量の愛液が伝わり落ちている。
 「これで、契約完了やの?」
 「おっと、忘れていたぜ。琴音、耳を。」
 「はい、ご主人様。」
 琴音ちゃんが、マルチから受け取った耳を 委員長の頭に着ける。これで、また一匹の猫が誕生したわけだ。
 「智子、これで完了だ。」
 「はい、ご主人様。うちは、智子は ご主人様の猫です。どうか・・・ その・・・ かわいがってください。
 「ああ、当たり前じゃないか。俺は、約束は守るさ。さあ、立ってこっちを向くんだ。」
 「はい。」
 接続された耳をピコピコさせ、尻尾をくるりと巻き 俺の前に委員長は立ち上がった。
 そして、委員長を囲むように 綾香・先輩・マルチ・琴音も立ち上がった。
 「おめでとう、智子さん。そして、ようこそご主人様のハーレムへ。」
 綾香が、猫の代表として 委員長に歓迎の言葉をかけた。
 「おおきに。」
 「これで、あなたも私たちと同じ権利を持つことになったわ。でも、ここでのことは ご主人様が決めることだから 逆らっちゃだめよ。」
 「うん、わかった。」
 「まあ、まだいいじゃないか 綾香。これからのことは、いつものところで話そうぜ。」
 「そうですね、ご主人様。」
 俺達は、いつもの場所 巨大なベットのある部屋へと おのおの移動することにした。まだ、最後の契約の証が残っていたからな。
 「おいで、智子。」
 「はい、ご主人様。」
 太股の内側を愛液で光らせ、とても歩きにくそうに 俺の後について歩き出した委員長。
 「そのうち、慣れるだろう。」
 「・・・ 」
 ひたすら耐えるように歩く、智子。
 綾香たちは慣れたもので、普通に歩いている。まあ、それぞれに 内股は濡らしているのだけどな。
 「ご主人様・・・ 待ってください。」
 委員長は、壁で身体を支えるようにして 歩いている。
 「とに・・・ しょうがねぇな。今回だけ、特別だかんな。」
 綾香たちは、すでに2階に行ってしまっている。普通なら、俺より先に行くことなどないのだが 俺が先に行かせたのだ。
 俺は、俺達二人しかいない一階で ヒョイッと今にもその場に崩れそうな委員調理身体を 抱え上げた。
 「キャッ!」
 急に抱え上げられて、びっくりしている委員長。
 「嫌だったか?」
 「 ・・・ううん。そんなことない。いきなりやったから・・・ 驚いただけや。」
 「そっか。 ・・・う〜ん、ま こんなもんかな?」
 「何がですか、ご主人様?」
 「あんまり重くないかなって。」
 「そんな・・・ 嫌やわ。
 ・・・今気づいたんやけど、ご主人様って ええ身体してるんやね。今まで、全然気ぃつかへんかった。男の人って、皆こうなん? がっちりした感じで、力強いっていうか・・・ 。」
 委員長が、俺の肩から上腕を撫で回す。
 「男が、皆こうだってことはないさ。綾香と付き合ってるうちになったんだ。」
 「あん人と?」
 委員長は、不思議そうにして 俺の顔を見た。そして、わずかながらも悲しい顔をした。
 「あいつは、ああ見えても エクストリームっていう総合格闘技のチャンピオンなんだよ。だからって、あいつと一緒に練習したことは 初めのうちはなかったぜ。ほら、俺って 努力嫌いだし。」
 「あはは、そうやったな。」
 「で、ちたょっとした賭をしてな。勝つ条件が、綾香に一発有効だをあたえるっていうものだったんだ。あいつ、滅茶苦茶強くってな。ムキになってやっていたら、自然と努力してた。で、こんな身体づきになったってわけだ。」
 「ふ〜ん。」
 「さて、着いたから 降ろすぜ。」
 俺は、抱え上げていた委員長を ゆっくりと降ろした。俺の左腕に、委員長の愛液が少しだけこびりついていた。
 「ありがとうございます、ご主人様。」
 これで、今回は もう二人きりの時はないのだ。
 「ここだぜ。」
 ドアの開いたままのプレイルーム。俺の後について、入ってくる委員長。
 「うわぁ、なんやこの部屋? ベットしかないやんか!」
 巨大なベットの上で、綾香たちが待っている。
 「智子さん、いらっしゃい。ここで、本当にご主人様のものになるのよ。」
 綾香が、手招きをしている。
 「うん。」
 なんの躊躇もなく、綾香達の元へと ベットを上がっていく委員長。
 「ご主人様、準備は整いましたわ。」
 綾香の前に、委員長がいる。
 「ああ。」
 俺も、ベットの上に上がる。
 「さあ、智子さん ご主人様を迎えるのよ。」
 「う・・・ ん。」
 委員長は、仰向けになって 俺の方に向かって両足を開いた。
 真っ赤になって、唇を噛みしめている。
 尻からはえている尻尾が、パタッパタッと呼吸を整えるかのように 動いている。
 俺以外の人間に見られての、初めての交わりだからな。不安なんだろう。
 「ご主人様、どうか智子を ご主人様だけの猫として 可愛がってください。お願いいたします。」
 そう言った委員長の目は、真っ直ぐに俺の方を見ている。
 「ああ。」
 俺は、衣服の全てを脱ぎさり 鋭く反り返ったモノを見せびらかすように 委員長に近づいた。
 「 ・・・ひっ! なんやのそれ? この前見た時より、大きくなってへん?」
 眼鏡が無くて、完全に近づくまで 俺のモノの大きさがわからなかったようだ。
 「かもな。鍛えまくってるようなもんだし、芹香のくれた薬の影響もあるかも。」
 みんなの話しだと、確実に大きくなっているのだ。俺自身は、あまり自覚がないのだが 二回りほど大きくなっているとのことだ。
 「そっか。でも、うちは壊れてもかまわへんから いっぱい愛してほしい!」
 「これくらいじゃ、壊れたりはしないさ。」
 クプッ
 モノの先が、秘部を割り開く。
 両膝を立て、迎えやすい体勢を作る 委員長。
 グググッ
 「んああっ!」
 委員長は、顎を仰け反らせて 声を上げる。
 「おいおい、まだ 頭が入ったとこだぜ。」
 「せやかて・・・ 後ろに尻尾が入ってるし・・・ こん前よりも、ずっと感じるんや。」
 「我慢するっ!」
 ズプッ!
 「うああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・・・・・・・・・ 」
 多量の蜜に助けられ、俺のモノを一気に飲み込んだのだ。
 完全に開ききっていた委員長のそこは、求めていたモノをやっと受け入れた喜びをあらわすかのように 俺のモノ全体を熱く包み込んだ。
 「智子の中、すっげー熱いぜ。」
 本当に熱い。今まで我慢していた分だけ、熱を蓄えていたようにも思える。
 「これで、完全に俺のものになったぜ 智子。 ・・・智子?」
 返事が、まったくない。
 「智子さん、失神してますよ。」
 委員長の顔を覗きこみ、白目をむいているのを確認した 琴音ちゃん。
 「やれやれ、琴音の時と一緒だな。ま、失禁しなかっただけましか。」
 「んもう、ご主人様の意地悪。でも、どうしますか?」
 失神している委員長を、全員で見ている。その様子は、獲物をどう料理しようかと囲んでいる猫のようにも見える。
 「完全にイッちゃってるな。」
 ピクピクと痙攣して、俺のモノを包み込む膣の内壁が また気持いい。
 「ご主人様、私がお相手しましょうか?」
 「そうだな・・・ 一応契約は完了してるし、ちょっと虐めすぎたのもあるからな。俺の相手は、芹香に頼むか。」
 そう言うと、俺は 熱い委員長の中から モノを引き抜いた。
 ズルゥ〜と抜いた俺のモノは、外気にさらされ 涼しさを感じる。
 「ご主人様は、ずるいです。私の時は、失神しても叩き起こされたのに。どうして、智子さんには そこまでしないのですか?」
 琴音ちゃんは、もやもやしている気持ちを 俺にぶつけてきた。
 「琴音の時は、今日風呂場でしたようなことはしなかっただろ。」
 「そうですけど・・・ 」
 「琴音の不満もわかっているから、待っててくれよ。」
 「琴音、ご主人様をあまり困らせないの。」
 綾香が、琴音ちゃんをたしなめるように 割って入った。
 「うう・・・・・・ 」
 それでも琴音ちゃんは、不満そうにしている。力封じの結界が張ってなければ、力が暴走していてもおかしくない様子だ。
 「とに・・・ しょうがねぇな。悪い、芹香。この埋め合わせは、するから。」
 先輩は、残念そうに”しゅんっ”となってしまった。そんな年上らしかぬ先輩の表情が、俺は好きなんだよな。それだけに、心が痛むぜ。
 だが、しかたない。気持ちを切り替えよう。
 「んじゃ、叩き起こすか。」
 俺は、くったりとしている委員長の尻尾を掴むと、ギュッ!と力強く握った。
 「 ・・・・・・・・・・・・・・・・ヒッ、ヒィアアアアアアァァァァ!!!!!!!!!!」
 これまた、初めての感覚が 委員長を貫いたのだろう。
 今日、何度目なのかという絶叫が 部屋に響く。
 掴んだ尻尾が、逃れようと ビチビチと蠢く。
 「起きろよ、智子。」
 俺は、空いている手で 包皮の中で膨れている肉芽を つまみ上げた。
 「ああっ、ああっ、あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・ 」
 絶叫をあげながら、どうしていいのかわからないかのように 両腕をバタバタとさせている。
 「綾香、琴音、智子の両手を押さえろ!」
 俺は、二人に委員長の腕をベットに押さえつけるように 命令した。
 二人は、すぐさま 行動を起こした。
 バタバタとしていた腕を押さえつけられた委員長は、身体をうねらせて 俺の刺激から少しでも逃げようとする。
 「やめてぇ〜・・・・ ああっ、やめてんかぁ〜〜〜っ!!!」
 「言うことは、それだけか 智子!」
 さらに、ギュッと手に力を込める。
 「うわぁ〜〜〜、痛い、痛いっ! 許してください、ご・・・ ご主人様ぁっ!」
 その言葉を聞いて、フッと手の力を緩めた。それを感じとった委員長は、身体中から脱力したように ベットに沈みこんだ。
 「ハア・・・・ ハア・・・・ ハア・・・・ 」
 大きく肩で息をしている、委員長。叫びすぎて、いかにも苦しそうにみえる。
 俺は、そんな委員長を無視するかのように 両足を持ち上げた。
 「ハア・・・ ハア・・・・ ハアアッ!」
 俺は、狙いを定めると ビチョビチョに濡れまくっている蜜壺に モノを突き入れた。
 ズチュッ!
 「あ、ああっ、あああっ!」
 委員長が、枯れかけた声を上げる。
 「智子の中は、ぐちゃぐちゃだな。」
 腰を振ると、水っぽい音が激しくなる。クッチャクッチャと、俺のモノに絡みつく愛液が その元だ。
 「あうんっ、あうっ、ああ〜〜 壊れてまう。うち、壊れてまうっ!」
 そう言いながらも、委員長は 両足で俺をホールドして 求めるように腰を振っている。
 「スケベだな、智子は。」
 「そ、そうや! うちは、スケベなんや。ご主人様・・・ あうっ・・・ にしてほしくって・・・ ああっ・・・ 身体が熱くなるんやっ!」
 委員長の瞳から、熱い涙がこぼれ落ちた。
 チュプッ・・・・ ズヌヌヌヌゥ〜〜〜・・・・・・
 チュプッ・・・・ ズヌヌヌヌゥ〜〜〜・・・・・・
 「ああっ、いいっ、あっあっあっあっ・・・・ 」
 俺の動きに合わせるような、あえぎ声。必死になって、俺を求めてくる膣。
 クッチュクッチュクッチュ・・・・・・・・・
 クッチュクッチュクッチュ・・・・・・・・・
 自然と、リズムに乗って腰を前後に動かし 強く打ち付ける。
 「はうっ、あくぅ〜、ああんっ、き・・・ 気持ちよるぎるぅ〜 」
 委員長は、髪を振り乱し 快感の荒波に弄ばれている。
 「くっ・・・ そうだ。もっと、もっと素直になるんだ 智子!」
 「はぁんっ! あうっ、あうっ、愛して・・・ うちを、もっと愛してぇ〜〜〜っ!む
 「あ、愛してやるさ。これからも、ずっとな。」
 もう、必要のなくなった両腕の拘束。俺は、二人を見た。
 二人は、何も言わず 委員長の両腕をゆっくりと離した。
 束縛を解かれた腕を、俺に絡めてくる委員長。
 「くふぅっ、あひぃっ・・・ はっはっはっ・・・ いいっ、いいのまぉ〜っ!」
 俺の下で、二つの乳房が潰れる。
 チュプッ
 「んっ・・・ んん。」
 お互いの口を合わせると、どちらからとなく舌を絡める。そこにあって当たり前だとばかりに、舌先で舌先を感じ くすぐる。
 ズッチュ ズッチュ ズッチュ ズッチュ ズッチュ ・・・・・・・・・・
 「んああっ、も・・・・・・ もうダメ・・・ イクッ・・・・ イッてまうっ!」
 「んっ・・・ お・・・ 俺もだ。」
 ラストスパート
 最後の時が、迫っている。が、委員長は まだ芹香から薬を貰って飲んでいない。故に、中だしはできない。
 「んはぁっ! イクッ! イックゥ〜!!!」
 委員長の膣が、キュッキュッと 俺のモノを締め付ける。
 「くっ、で でる!」
 ヌポンッ
 俺は、モノを引き抜くと 委員長の胸めがけて射精した。
 ビュクッ ビュクッ
 解き放たれ精が、委員長の乳房を汚す。そして、ゆっくりと身体のラインに沿って 垂れ落ちていく。
 それを、綾香と琴音ちゃんが 委員長の身体に塗り延ばしていく。
 「ご主人様、今度は 私たちを愛してくださいね。」
 ・・・・・・
 ・・・・・
 ・・・・
 ・・・
 ・・
 ・
 ・
 ・

 「浩之ちゃん、ここにいたんだ。あ、保科さんも 一緒なの?」
 委員長との昼食を終えた頃、あかりが 俺を捜してやってきた。
 「あれっ、それは?」
 「ん? ああ、委員長が余ったって言うんで もらったんだ。あかりと味付けが違うけど、けっこういけるぜ。」
 「いややわ、藤田くん。うち、藤田くんの好みも 全然知らへんのに。でも、うれしいわ。ありがとな。」
 俺と委員長の間に、和やかな風が流れていた。そんな俺達を、あかりはジッと見ていた。
 「どうした、あかり?」
 「うん・・・ 保科さんでも、そういう顔するんだなって。初めて見た。」
 「うちかて、笑ったりするわ。」
 「ごめんなさい。そう言うことじゃないんだけど。」
 「別に、怒ってるわけやないで。今までのこと考えれば、仕方ないわな。」
 「・・・」
 あかりは、失言してしまったことを 悩んでいるようだ。ちょっと前の委員長なら、見ることのできなかった姿だもんな。
 「ええて、ええて。今まで、それでけっこう損していたみたいやしな。
 ま、今更言うのもなんやけど これからはちょっとは仲良くしてぇな 神岸さん。」
 「うん。私も、保科さんとは 仲良くしたいとずっと思っていたから うれしいよ。」
 「なんや、くすぐったいな。でも、悪ないな。
 そや、藤田くんに なんか用があったんとちゃうの?
 うち、もう行くさかい ごゆっくり。」
 「そんな、気をつかわないでも。別に、聞かれて困る話じゃないし。」
 「ええて。うちには、自分の居場所っちゅうもんがでけたから 寂しあらへんのや。
 でもな、いつかは無くしてしまうかもしれへんから 気ぃつけや 神岸さん。藤田くんに甘えてばっかいるのもええけど、もっと自分の気持ちを前面に出さなあかんで。」
 「どういうこと?」
 「自分で考えんと、答えはでぇへんて。」
 そう言った委員長は、扉の向こうへと消えていった。
 あれは、たぶん 委員長なりのあかりへの宣戦布告だったんだろう。
 「どういうことなのかなぁ、浩之ちゃん。」
 「自分で考えろって言っただろ。」
 「う〜ん・・・ 」

End

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