「ねえ、由綺・・・ 今度、3連休だよね。」
「うん。」
「私も休みになったんだけど、一緒にどっかいかない?」
「えっ・・・ 」
「ふ〜ん、冬弥くんと 一緒にいたいんだ。」
「そっ・・・ そんなこと・・・ 」
「わかりやすいわね。いいのよ・・・ じゃあさ、冬弥くんも一緒にどう? それならいいでしょ?」
「うん。私はいいけど・・・ 冬弥君がどうい言うかな?」
「冬弥くん優しいから、由綺の言うことだったら 何でも聞いてくれるよ。」
「そんなことないよ。冬弥くん、誰にでも優しいから。」
「はいはい。じゃ、決まりね!」
「でも、どこに行くの?」
「ふふ、心配しないでもいいわよ。兄さんと弥生さんの目の届かないところに ロッジが借りられるから。でも、車でじゃないと行けないけど 冬弥くん免許持ってる?」
「たしか、この間取ったようなこと言ったいたけど。」
「なら、OKね。兄さんたちにばれないように、行き先は当日まで秘密にしておくけど 心配しないでね。」
「おいおい、すごい山奥だな。」
「だから、いいのよ。ここだったら、携帯の電波だって届かないから なんの制約も受けなくて済むの。」
「理奈ちゃんにしては、考えたね。」
「でしょ。私だって、たまには兄さんの事 忘れたい時だってあるのよ。」
「そっか。」
和やかな、そして楽しい気分の中 山荘へと到着した。残雪の多く見える山並みに囲まれ、3人以外誰もいない2日間の生活が始まるのだった。
「それにしても、トップアイドル二人を独占している俺って なんだろうね。」
「いつも、トップアイドルの由綺を独り占めしてるのに。」
「理奈ちゃん・・・ 」
「本当にうらやましいよ。どこでも、想っていられる人がいて。ねえ、冬弥くんを 私にくれない?}
「えっ!?」
「ふふ、嘘よ。あなたたちの間に、私の入る余地なんてまったくないもの。ただ、あなたたちが どんな気持ちを持って側にいるか知りたくて 今回は誘ったの。」
「理奈ちゃん。」
「ねえ、飲みましょう! 夜は、まだ長いのよ。」
「そうだな。でも、理奈ちゃんはお酒飲めるの?」
「うん。兄さんに付き合って たまに飲んでたから。」
「由綺は・・・ 」
「う・・ ん・・・ でも、大丈夫だよ。たぶん・・・ 」
「無理せずに、ジュース飲んでれば?」
「ううん、私だけ仲間外れは いやだもん!」
「仲間外れだなんて。」
「由綺、一緒に飲みましょ。ここにいるのは、アイドルの私たちじゃなくて 普通の大人の女性なんだから。それに・・・ すてきな男性もいることだし。ね。」
そういうと、理奈はスクッと立ち上がり 戸棚からワイングラスを3つ取り出した。
「ほら、準備しましょう! 自分たちですべて用意しないと、なにも始まらないよ!」
「そうだな。由綺、始めよう。」
「うん!」
3人だけのパーティー。
ランプとキャンドルのほのかな明かりだけが照らす、空間。
ゆっくりと流れる時間の中で交わされる、言葉と言葉。
言葉は歌となり、わずかな仕草は踊りとなり、空間を彩る。
心が満たされていく。
憂いが消えていく。
「ねえ、由綺。どんな気分?」
「なんか、フワフワしてる。」
「もう、飲むなよ 由綺。」
「優しいな、冬弥くん。だから、由綺もがんばれるのよね。」
「うん。だけど、誰にでも優しいから 不安なの。でもね、私だけを見ていてくれるって 抱いてくれたの。」
「おっ、おいっ 由綺!」
「やっぱりね。だって、由綺 変わったもの。」
「 ・・・変わった? 俺には、なにも変わったようには 見えないけど。」
「女同士じゃないと、わからないものなのかな。変わったよ。見違えるほどにね。」
「だって、冬弥くんにいっぱい愛してもらったから。だから、音楽祭もがんばれたの。」
「ゆ、由綺?」
「でもね、本当は痛くって 最後は立っているのがやっとだっのよ。それに・・・ 冬弥くんったら、中で出すんだもん。私の中でいっぱい出して、広がっていくの。ジィワァ〜と、暖かいのが。」
「由綺、もしかして 酔ってるの?」
「赤ちゃんができちゃったらって思ったけど、それでもいいかなって。そしたら、もっと愛してくれるかなって思ったし。」
「冬弥くん、アイドル妊娠させてどうするのよ。」
「う・・・ 」
TO BE CONTINUE