Happy Game

藤崎晶(ふじさきあきら)

 高校3年生の18歳。蒼山学園の生徒会長を務める。IQ190の天才であり、ロングセラー小説となっている「宝石の家族」の著者でもある。

藤崎未来(ふじさきみく)

 高校1年生の16歳。兄(晶)と共に、蒼山学園に通っている。兄に淡い恋心を抱いている。本人は知らないが、生き別れの双子の妹がいる。

藤崎巧(ふじさきたくみ)

 晶と未来の父親。宝石店を経営し、職人でもある。3年前に、夫人と死別。

天地来未(あまちくみ)

 蒼山学園1年生。未来の隣のクラスに在籍。養父母が、旅行中に事故死。現在、一人暮らしである。養父母は、元華族の家柄であったため 両親の死後 血の繋がらない来未は 両親の兄弟から追い払われるように家から出される。しかし、そのことに不平不満・恨みを持たず かえって10年間もの間人並み以上の幸せな生活をおくれた事に感謝している。三つ編みに、大きなメガネをかけている。三つ編みを解き、メガネを外すと未来と同じ姿をしている。


 4月、晶の通っている蒼山学園に 未来が入学。

 入学式当日、担任の細川先生により 晶の妹であることがクラスに知れ渡ってしまう。クラスには、必ず一人はいる嫌みっぽい娘が妬む。

 3週間が過ぎた頃、隣のクラスに後ろ姿が未来にそっくりな娘がいると 友達になった少女数人から聞かされる。

 なぜか会うこともなく、ゴールデンウィークへ。

 休みの間、気になって仕方がなかった未来。休み明けの放課後、やっと見つけて話しかける。少女の名は、天地来未といった。何故か、友達以上に引かれ合い 親友となる。

 やがて、自分の身の上を少しずつ打ち明ける来未。その話を聞き、自分の弱さ、来未の強さを知る。

 7月、未来の誕生日。未来と来未は、話しながら校門を出たところで 兄・晶に肩を叩かれる。父と兄と一緒に、食事に行くことになっていた。来未を誘ったが、バイトがあるとのことだった。しかし、バイト先は振り替え休業だった。

 未来の誕生日を祝う席で、父・巧から驚くべき真実を知る。自分が、血の繋がった親子でないこと。そして、晶と結婚しないかと言われる。未来は、申し出を受ける。断る理由はなかったし、大好きで恋心を抱いていた晶と一生一緒にいられると思ったから。結婚和承諾すると、父と兄の顔に安堵の笑顔が現れた。

 話は進み、結婚式は未来の卒業後。籍は、来週にでも入れて その発表を来月に行う。そして、招く人々のこと。未来は、感じが自分そっくりな娘がいることを父に話す。未来は、双子ではないかと聞くが 父は首を横に振った。

 夜、ベットに入ってからも 双子という言葉が引っかかり眠れず 未来を施設に迎えにいった時の事を 記憶の角をつつくように思い出す。たしかあの時、風で一人寝ていると園長先生が言っていた。

 それが、来未であった。未来と来未の本当の両親は、二人を施設に置き 心中してしまったのだ。二人が、1歳半の時だった。未来は、2歳の時藤崎家へ。来未は、4歳の時天地家へ。

 巧は、施設を訪れたが 当時を知る者は誰一人として残ってなく、当時の園長先生も亡くなったとのことだった。

 巧は、探偵を雇った。そして、未来が言っていた娘が 未来の妹であることを知る。巧は、バイト先を訪れた。そこは、来未の養父の親友が経営する喫茶店だった。現在、来未の保護者でもある。人がいなくなった頃を見計らい、ウエイトレスをやっている来未に マスターを呼んでもらう。事情を話し、報告書を見せる。驚いたマスターは、急遽店を閉め 来未を呼んだ。そして、全てを知る来未。巧は、来未を養女にしたいと申し出た。来未は、迷った。が、養父の親友だったマスターの薦めもあり 承諾する。そして、紹介の日取りを決める。

 晶と未来の入籍発表の日。二人の招待客には、晶のロングセラー記念パーティーと偽っていた。親類、縁者、二人の学校の担任には、本当の事が知らされていた。巧が、司会をする。二人の入籍が発表されると、友達が驚きの声を上げる。 やがて、正体した全ての人々の主来未時と拍手に 会場は満ちあふれた。人々が落ち着いた頃を見計らって、巧は 新たな紹介をした。紹介の言葉と同時に、正面入り口が開かれ 未来と同じ姿をした来未が現れた。また、人々が驚きの声を上げた。その中に、晶と未来の声もあった。巧と来未以外、誰一人知らない演出だった。来未は、正面演台に進み 未来の横の席に座った。未来は、この時 隣に空いていた席の意味を知った。                   巧は、来未が未来の双子の妹であること、養女として迎えることを発表した。そして、自分が気づかなかった為に 唯一人の肉親と離ればなれになってしまったことを詫びた。                              未来と来未は手を取り、巧に近づき 自分を責めないように言った。また、二人は一緒になれたからと。3人から、涙がこぼれ落ちた。           晶は、マイクとグラスを取り 会場の人たちにグラスを取るように呼びかけた。 「再び巡り会えた姉妹に、祝福を! そして、ここに参加してくださった方々に 幸多からんことを・・・ 乾杯!」                     人々が、一斉に声を上げた。「乾杯っ!!!」               いつまでも、祝福の声は途切れなかった。

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