93 【 時間点+1 】 全く同じ扉が並ぶ中、1つを選んで君は開いてみた。その中はごく普通の宿屋の一室 を、ひと回り小さくした程度の部屋になっていて、床と壁に固定された小さな机と寝台が 備え付けられていた。 埃を除けながら机を調べてみると、引き出しの中にかろうじて形状を保っている1枚の 紙片と黒くて細長い石の棒が入っていた。紙片には大小の文字が並んでいたが、残 念ながら君にはそれを理解することができない。 どうしたものかと考えていると、不意にルルが声を発した。 『これは古代文字ですね。公的な文章のようにも思えます……』 そして読み取ることができた文章をゆっくりと君に伝えた。 『「………重点研………」 「イミ…ー……」(I…I……T…R) ……続く文面は特定された生物の具体的な生育状況などが記してあるようですが、 どうやら謎が多かったらしく、擬態をおこなう生物であるという以外に意味のあることは 記されていないようです』 うなづきながら君は手の平に収まる程度の黒い石の棒を手に取った。 『そちらには古代文字が刻まれていますが……たぶん何かを開けるための鍵となる物 だと思います。わずかに魔力を感じはしますが、特に魔法が使えるというようなものでは ないはずです』 ルルの言うように、もし今後これが使えそうなところがあったら【パラグラフ表】を使って 50を加えた番号に進むこと。 部屋には他に何も役立ちそうなものはなかった。君は部屋を出る(146へ) |