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 どうやら君が奴隷にされているのではないかと判断した娘は、例え虜囚となるきっかけ
が不本意なものであっても、今のこの状況を望んでいるのかもしれなかった。そう思わせ
てしまうことになった過去の経緯には同情するが、ここで無理に連れ出し、危険な目に合
わせてまで娘の望む生活を与えてやれる自信など今の君にあろうはずもない。仕方なく
君はこの場を去り、1人で海賊船から抜け出すことにした。(499へ