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 船首方向への通路を進むにつれ前方から冷たい空気が流れてきた。この扉の向こう
は屋外だろうかと思いつつ手をかけると、鍵が掛かっていて開かない。だが耳を近づけ
ると確かに波の音がしており、囚われた娘などいるわけがないと判断した君は、通路を
引き返すことにした。(476へ