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【 時間点+1 】
 君がボロ布のような衣服をつまんでは除けていると、その間から1枚の紙片が床に落
ちた。拾い上げてみるとそこには拙い文字で文章が記されていた。

 「始まりの海にのぞむのは なつかしき街といとしき人にいたる道
  終わりの空にねがうのは 明日の糧と深き眠り

『海賊でも詩を書くのですね。決して上手いとは言えませんが』
 ルルが一体どれだけの詩に触れてきたのか想像もつかないが、どうも彼女なりの審美
眼というものがあって、伝説に聞く戦乱の世における精剣の活躍とは裏腹に、貴族令嬢
の如き生活をしていたのではと思わされることが度々あった。
 この紙片を拾っておくかどうかは君の自由だ。いずれにせよもうこの部屋に用はない。
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