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【 時間点+1 】
 君が選んだ物品が金属や陶器のような耐熱性の素材で作られたものでない限り、三
角版が貼り付けられた物はあっという間に高熱を発し、手を離した君の足元で燃え尽き
てしまった。選んだ物品を所持品から消しておくこと。
 この失敗により三角版の作用に検討をつけた君はナイフを取り出し、刃に三角版を貼り
付けると、わずかな時間で刀身全体が火傷を負いそうな高熱になった。
 その後しばらく試してわかったのは、三角版の頂点が上下のいずれに向いているかで
貼り付けた対象物の温度が上昇、あるいは下降するということ。その温度は紙を瞬時に
焦がすような高温から、物体を凍結させる低温にまで達するものの、直接的に影響を及
ぼす事のできる範囲は非常に狭い範囲でしかなかった。しかし物体の温度が変われば
その周囲にも当然のように効果は伝導していく。これを利用すれば一定量の水をあっと
いう間に沸騰させることも、反対に凍らせることもできるだろう。
 魔導器の一種でもあるこの三角版の使用回数はサイコロ1個分だ。そして1回につき
風呂桶一杯分の水を蒸発あるいは凍結させたり、松明程度の木材を黒焦げにするまで
効果は持続する。
 扱いには注意が必要だが、何かの役には立つかもしれないと思うなら慎重に持ってい
くこと。いずれにせよ君は再び操作盤の所に戻った。(310へ