283 【 時間点+1 】 部屋の扉は黒い石の棒を差し込むと開くようになっていた。扉の先はまた通路になって いて、少し進んだところで岩の壁に突き当たっている。だが通路を造る白い金属と岩壁と が接する部分に違和感を感じた君が岩壁を押してみると、天井に接する部分を支点として 地面までの岩壁が奥にせり上がり、開けたその先に海岸が見えてきた。 通路から外に出て振り返ってみれば、開口部の蓋にあたる部分は岩石に擬装されてい るだけでなく、よほどの長い刻を経ている証拠に蔓草や低木が生えてしまい、一度閉じて しまえばとても通路が隠されているとはわからないだろう。 『あの海岸線には見覚えがあります。ここはイスターヴェの町から歩いて半刻ほど北に あたる場所だと思いますが、町に戻るのならまた遺跡の中を抜けていくよりもずっと早く たどり着けるでしょう』 確かにルルの言うとおりだが、町に戻る必要があるだろうか。 ・ このまま町に帰るなら(197へ) ・ 再び遺跡の中に戻るなら(233へ) |