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【 時間点+1 】
「そういえば」
 唐突に、アリアルテは君の顔をじっと見つめて言った。
「前に特別なサソリ毒の解毒剤を駆け込みで注文してきたっていうのはお客さん?」
 君は頷いた。だが別の店番が対応してくれたため、彼女とは初対面だ。
「あの時はたまたま私がいなくて弟子に留守を任せてたんだけど、彼女には相当挑戦的
な調合だったみたいだから、ちゃんと出来てたか心配だったの。その後調子はどう?」
 異常は無いと君が返すと、アリアルテは目を閉じて何かを思案している様子を見せた後、
再び君に顔を向けた。
「ね。よければ教えて欲しいんだけど、お客さんはよく危険な場所に行ったりする方? 前
のサソリ毒だって世の中にそれほど存在しているとは思えないもの」
 君は曖昧に頷いた。町のすぐ近くに未知の怪物が巣くう遺跡があるというのは、迂闊に
広めていい内容ではないはずだ。
「例えばそういう危険な事をするのが商売の人なのかなーと思ったのよね。もしそうならお
願いがあるんだけど、今ちょっと時間をもらえない?」
 
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