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 君が黒い石の棒を扉の横にある窪みに差し込むと、目の前の壁が横にスライドして入
り口になった。やはりこの細長い棒が鍵代わりになっていたようだ。
 室内に踏み入れてまず目に入ったのは、部屋の左右に並ぶ個室と中央の空間とを仕
切る半透明の壁だった。各個室は同じ大きさで部屋の両側に2部屋ずつ並んでいる。個
室に入るための扉も半透明の材質で出来ており、その全てに鍵を差し込むための窪み
があった。
 4つの個室のうち、手前にある左右の部屋には遺跡内の別の場所にもあった用途不明
の金属の塊が整然と並んでいて、君とルルの知識で判別できるようなものは無かったが、
壁際に備え付けられている戸棚には何か役立つような物が残っているかもしれない。そし
て奥の2つの部屋には、がらんとした空間の中央に据えられた長方形の台座と、小さな車
輪が4隅に付いた大きな箱のような物だけが残っていた。

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