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【 時間点+1 】
 この部屋には(累々たる海賊達の死体を除けば)浴槽を大型化させたような金属の器
が中心に据えられており、その器から南北それぞれの壁に伸びた太い管は巨大な金属
の箱を通過した後、壁を貫通して隣の小部屋にまで繋がっているようだった。金属の器
の中には未だ鮮度を残す大小の魚介が大量に入っている。もしかしたらこの魚の一部
あるいは大半がイスターヴェの漁師から奪われたものかもしれなかった。
 このような装置に見覚えがあるかとルルに尋ねると、彼女はこの遺跡独自の製作物で
はないかと答えた。こんな地下にこれほどのものを建造してまで何かを追及している、修
道士の如き人間達の思考の産物に関するような知識は、さすがの彼女も備えてはいな
いらしい。
 ともあれ、もうこの部屋には君の役に立ちそうなものは無いようだ。(252へ