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 君は黄金色に艶光る芋虫がぎっしりと詰め込まれた大瓶を手に取り、こんな気色悪い
ものが本当に良いものなのかとルルを疑いつつ蓋を開けた。ほのかに甘い香りがする
ことに少しは安心しつつ小指の先ほどの芋虫を摘み、生きてはいないことを確認してか
ら躊躇いながらも口に放り込む。と、最初に感じたのは香り以上に強い甘味だった。ど
うやら蜜で包まれているらしい本体を噛んでみれば、プチンと弾けて甘酸っぱいとろみ
が舌に広がり、蜜と混じり合って疲労感が吹き飛んでしまうほどに美味い。
 この滋養に優れた「蜜虫の瓶詰め」は今の君が食べるのにもっとも相応しい食べ物
の1つであるに違いない。直ちにHPとMPを3点ずつ、「強運」が減っていれば2点回復
させること。一度にどれだけ食べても回復量は変わらないが、今後の食糧として2食分
だけ持っていくこともできる(ただし「強運」の回復は今回限りだ)
 満足したら元の番号へ戻れ。