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 小箱の蓋はすでに老朽化が激しく、少し力を込めただけで留め金が砕け、蓋も割れて
使い物にならなくなった。中に入っていたのは、親指の先ほどの大きさで赤みを帯びた
茶褐色の種のようなものだった。今の段階でこれが目的の種子だと決めつけてしまうわ
けにはいかないが、取っておいて損はないだろう。
 君はそれを一応箱に戻してから小袋に入れ、丁寧に背負い袋に仕舞い込んだ。
 所持品に「赤茶色の種【88】」と記載しておくこと。(146へ