209 【 時間点+1 】 箱を開けてみると、その中には粉々になった白い干物のようなものが残されていて、顔 を近づけるとわずかに潮の匂いがした。魚や貝からなる物であれば命の危険はないだろ うと判断して小さな欠片を口に入れると、それは魚のすり身を徹底的に乾燥させたような 味わいで、少しすると魚だけではなさそうな風味が混じり合い、塩気も利いていてなかな か美味い。これを例えば干し肉のように火で炙ったり、沸かした水に入れて戻したスープ を作るなどすれば、かなり優れた保存食として機能するだろうということが想像できた。 この「魚粉」をもし持っていくのなら1食分の食料にすることができる。 他に見るべき物もなく、君は部屋を出た。(252へ) |